3___



「ねぇ玲名、今日スタバ寄って語ろうよ―」


「名前の奢りか?」


「なんでそうなるのよ」


放課後は恒例の女子会INスタバ。特に話さないといけないことがあるわけでもないけれど、女の子、しかも花盛りの女子高生が2人程集まれば話題なんて尽きないに等しい。

平日の夕方なんていうのは学校帰りの学生が店内をほぼ占拠している時間にあたり、学生で混み合っていた。男の子もこんなとこ来たりするんだ…


「私さ、次の数学やばいよ、クラス上位狙えるかも。あ、Aのほうね」

ズズズ、と音を立ててフラペチーノを啜る私と、音もたてずに静かにブラックコーヒーを啜る玲名。あらら、対照的。


「…世界史は?」


「聞くな」


そう答えると、面白そうに笑う玲名。なんだよ、笑うなよちくしょう。だけど絵になる。


「そういう玲名は?」


「次は学年2ケタ前半目指す」


「…天才め」


「知らなかったのか?」



そんな冷たいことを言いながらも、玲名はテスト前に焦る私に細かくつきっきりで勉強を教えてくれる。あぁ、なんでこんなに可愛いのに口が悪いんだ。



「あれ、」



突如、どこからか聞こえてきたその声に、玲名の顔がピシリと固まった。え、ちょっとどうしたの。でもなんとなく分かる。だってこの声、聞き覚えあるよ。
やがてゆっくり振り返った玲名の視線の先には。



「な、んで貴様がここにいる」


玲名が大っ嫌いだと日々語っている基山ヒロトくんの姿が。男の子たちと一緒に来ているなんて、何話してたんだろ。女子会ならぬ男子会?



「わぁ、やっぱり玲名だ。久しぶり!」


「知らんっ、お前なんて私の記憶外だっ」


必死になって基山くんを拒否する玲名はとても珍しい光景。私的には玲名、基山くんの事結構好きなんじゃないかと思っている。あくまで、私的にだが。


「ちょっと、それは酷いなぁ。ねぇ?晴矢、風介。」



基山くんと一緒にいた2人がこちらを振り返る。基山くんと同じく真っ赤な髪の毛の子と、そして。



白銀に輝く髪の毛の持ち主に、私の目線は奪われた。



え、なにこの展開。
そんな事を思いつつも、私は目が離せない。










「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -