突然の来客
私は内心良かった…と溜め息を付いた。
私1人じゃ絶対無理だし…かと言って突っ込んで行った私が逃げるのも…リクオが来ることはわかっていたものの、不安だったのだ。
「!!」
リクオは私を見ると目を見開いた。
…大丈夫、きっとばれてない、きっと…(内心汗だく)
「ごほっ」
咳き込んだ鴆さん。
『「鴆様(くん)!!」』
私とリクオのセリフが被った。
私はリクオが鴆さんに駆け寄るのを見て、鴆さんはリクオに任せ、蛇太夫を睨み付けた。
「この小娘が…計画を邪魔しおって!!」
『屋敷に火を放とうとしたのを見て黙ってられるか!!炎から上がるガスは有毒だし、火傷したら後遺症が残るかもしれないし、下手したら人1人死んでたかも知れないんだよ!?もう…私の周りでは誰も傷付かせない!!大切な人を亡くす悲しみを味わうのは私だけで十分だ!!』
私は叫んでいた。
もう、嫌だったから。
大事な人を亡くすのが。
「何を言う小娘が。大切な人だと?お前も彼奴も妖怪じゃないか。小娘ごときが粋がるんじゃない!!」
『人だろうが妖怪だろうが生きてるじゃん!!生きる権利はみんな平等にある!!あんたみたいな雑魚が亡くしていい命なんて1つもない!!』
「小癪な!!…くく、まぁいい。小娘は後でいたぶり殺すとして…ぬらりひょんの孫…殺せば俺の迫がつくってものよ!!」
その時
「許せねぇ」
夜リクオ独特の低い声が聞こえた。
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