夜の校舎を練り歩く

『お待たせ!!』


「遅いよ二人とも!!」


私達が着くと、もう既に皆集まっていて。


『?あれ?その2人は…』


「初めてまして。及川氷麗です。こういうの、超好きなの!!」


「同じく倉田だ」


…あぁ、雪女と黒田坊だ。

――…‥


そんなこんなで旧校舎の中へ。


カナちゃんが奴良くんと一緒にいたから私は1人で行動することにした。


「え?江藤さん?」


『あ、ごめん、私はいいからカナちゃんを守ってあげて?』


私が言うと、リクオは不承不承ながら頷いてくれた。


私はさっきリクオに潰されていた花子さんの所へ行き、しゃがみこんで話し掛けた。


『よいしょ、大丈夫?』


《貴女私が見えるの?》


『うん、お願いがあるんだけど、今日だけ出てこないでほしいの。私はいいんだけど一般人がいるから…貴女だって見つかって捜索されたりお祓いされたくないでしょ?』


《…わかった》


『ありがとう。他の子達にも伝えてもらえるかな?』

花子さんは頷いた。


『よしっ…ってあれ?居ない…私置いていったな…結局ここでも仲間外れか…』


私は小さく呟いた。
そのあと周りを歩いていたらリクオにやられたであろう霊や妖怪が。
取り敢えず手当てした。

次の瞬間。


「うわぁぁぁ!」


悲鳴が。


『!!出たか…!!』


私は音を頼りに走った。
すると妖怪がカナちゃんを襲う所で…私は全力疾走した。

ギリギリで間に合い、カナちゃんに被さった私の背中に妖怪の爪?が食い込む。


『うぐっ…』


(カナちゃんは…守らなきゃ!!)


「江藤さん!?」


リクオの声が聞こえた。

次の瞬間。
雪女と黒田坊が妖怪を倒した。

しかし、私は意識が遠退くのを感じた。


(くそっ…もっと強く、強くならないと…)


大事な人は守れない。


頭の中に甦る、元の世界での日常。


(あぁ、もうダメかな…)


私は意識を手放した。


最後に、


「江藤さんっ」


というリクオの叫びが聞こえた気がした。

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