ぐだぐだ | ナノ



「なー円堂ー?おかし?って知ってるか?」
「お前おれをバカにしてるだろ!おれだっておかしぐらい知ってる!」

胸を張った円堂はさも当然といったように「この前だって駄菓子屋に買いに行ったろー」なんて妙に冷めた顔で言ってきた。
しかも、何言ってんだこいつ、みたいな目線付きで。…解せぬ。

「ばーか!それじゃなくて、避難訓練のやつだよ」
「?…なんで今?」
「円堂お前、今日避難訓練あるんだぞ?」
「え?…ええええ!?そうなのか!?」
「そうなのかって、月初めには必ず避難訓練あるだろ!」
「言えよ!……おれ今日ハンカチ持ってない!どどどどどうしよう!」

見事な慌てっぷりにほくそ笑む。この前円堂は忘れものしすぎて担任に「今度忘れものしたら放課後に反省文と教材室の掃除してもらう」ってみんなの前で言われてたしな。

「……はんだー」
「無理!おれ一枚しかないし」
「……………うう、」

部活に円堂いないのもつまらないし、それ以上になんだかだんだん可哀想になってきて、そろそろおれの中の罪悪感がやばい。
今思い出した的ニュアンスで「そういえば風丸が二枚持ってた」と教えると、とたんに目をきっらきらにさせて円堂はぐるりと向きを変え、狙いを風丸に定めた。

「かーぜーまーるぅー!?おかし?って知ってるかー?」
「?おさない??かけない??しゃべらない?常識だろ?あ、ハンカチは貸さない」

風丸さん、すっげーや




046 避難訓練
-->あたこさま




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