ぐだぐだ | ナノ




「なん、だ……これは……!?」

いつもと同じ朝。また今日も学校が始まってしまう、なんて憂鬱な気分になりながら靴箱の蓋を開けると真っ白な封筒に「みょうじなまえさんへ」と書かれた手紙が入っていた。

「これは……!」
「ラブレター、だね」
「ぅわっほい!」
「(わっほい?)おはよう、なまえ」

いきなり背後から現れたシュウに思わず奇声を発してしまった。スルーされるあたり私はとことん女とみられていないらしい。いや反応されても困るけど。

「って、ラブレター!?この私に!?果たし状とかじゃなくて!?」
「どこの不良漫画?」

こ、この私にもついに春が!
にやにやしながらその手紙を見つめていると後ろから馬鹿にしたような笑い声が聞こえた。

「はっ。お前に恋文か。世も末だな。」
「ぶっ飛ばすぞお前」
「おはよう、白竜」
「おはよう、シュウ」

私の背後から現れたどや顔の白い物体、白竜は私を華麗にスルーしてシュウに挨拶した。

「はん、だが今お前に何を言われようとも負け犬の遠吠えにしか聞こえないけどな!」
「俺は毎日のように貰ってるがな。」

負けた。シュウの「白竜モテるもんねー」という言葉で更に落ち込む。いや、これは数とかそういうアレじゃない。気持ちの問題だ。

「それにしてもなまえに彼氏かあ」

シュウがぼそりと呟いた言葉に私は首を傾げる。

「なんだか、寂しいね」

そう言って微笑するシュウに少し驚く。なんだ、そんな風に思ってくれてるんだ。

「……私、やっぱ今のままでいいや。私も今はあんたらが一番だし」
「……俺は寂しくないがな」
「私は寂しいけど」
「僕も寂しいよ」
「………」

白竜が黙り込んだのを見て勝った!なんて思いながらラブレターをそっと鞄の中に仕舞い込んだ。




065 ラブレター
-->山田さま




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