ぐだぐだ | ナノ



「おっ、お前俺の後ろの席か。よろしくな」

 二年に上がりクラス替えをして出席番号のおかげか知らないが一番後ろの席だった俺に前の席である半田がニッと普通の少年だと思わせる笑顔で話しかけてくれた。それが俺と半田との普通な出会いだった。
 出会いと言っても大層な物でもなくただ友達をゲットしたというのが正しいと思う。なんせ出会いというのだとどれも青春臭そうで性に合わないからだ。けどまあ半田はサッカー部だし土臭い青春を謳歌しているんだろうな。帰宅部で遊びばかりする俺には関係ないさふはははっ!
 まあそんな青春が謳歌とかどうでもいいが出席番号が隣で席が前後の俺と半田は何故か親友と呼び合うまでの仲まで達した。いやあ流石に昼飯一緒に食べたり放課後サッカー部にお邪魔したりしていたら必然的に仲良くなるわけで、親友となったのだ。…まあとにかくそんな親友である中途半端でサッカー部の半田と帰宅部な自称イケメンの俺は半田のサッカー部が無い日はよく帰りを一緒にすることもあった。そうして席替えしても前後を保ち続けている間に一年が経ったのだ
 そんなよくあるようなないような平凡でありそうで無さそうなある日、親友である俺と半田は今日サッカー部がミーティングだけだったらしいため帰りを一緒にしようと言う話しになった。
 ミーティングが終わるまで寒い時期であるこの冬に「校門で先に待っててくれ!」と言い残して半田は部活に行ってしまったのだ。人の気も知らないでよく部活に行けるなと悪態をつきながらボーッとして立っていた、
 寒い中、校門でボーッと立ちながら半田を待っているとようやくミーティングが終わったらしく半田が走りながら校門へと来た。俺は直ぐさま待たせんじゃねぇよ中途半端、と言おうと口を開くも先に「コンビニで何か奢ってやるよ」と中途半端な半田が言ったのだ。全く俺の言おうとすることを読みやがって。だがそれで満足する俺も俺だな。
 だから奢ってもらえるとスキップしそうな勢いでコンビニへと入り、早速目的の品を見つける。先程寒い中外で待っていたので少しでも体を温めたいと思っていたのだ。だから俺は直ぐにカウンターに向かい店員にカレーマンを頼み、買った。俺は実際奢ってもらったんだが。けど半田は買う途中「王道に肉まんじゃないのかよ」と苦笑しながら言っていたが俺は肉まんよりカレーマン派なのでそんな言葉を無視して奢ってもらったカレーマンをコンビニから出て歩きながら早速食べる。隣で歩く半田は肉まんを食べていた。どうやら肉まんが一番好きらしい

「おっ雪じゃねーか珍しいな」

 カレーマンを食べていると上から雪が降ってきた。なんと季節外れなと言いたくなったが天気予報で「今年の春最後の雪」と言っていたのを思い出す。どうやらお天気お姉さんの言うことは正しかったようだ

「もうすぐ一年だな」
「何が」
「俺と半田が会ったの」
「あー、そうだな」
「席替えしても何故か前後な親友な俺達って奇跡かも」
「かもな」
「今年も一緒のクラスだったり」
「どーだろな」
「また出席番号隣合ってたり」
「逆にホラーだろそれ」

そんなよくある日の出席番号が隣な俺達の日常




074 出席番号
-->シズクさま




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