ドSと天パの十三夜計画


○銀月・沖神前提○




10/26 晴れ (午後3時現在)

沖田はいつものようにベンチに寝そべってサボっていた。
そこに銀髪の男が、やる気なく近づいてきた。

「おーい、仕事しろォ〜」

「あんたに、言われたくありやせんぜィ」

「こんなのが江戸の安全を守ってるなんざ、世も末だねぇ」

「あんたには、言われたくありやせん。
で、何の用ですかィ?
旦那がわざわざ俺を探して、話しかけて来るぐらいだから、よっぽど大事な事ですかィ?」
沖田はアイマスクをはずして、ゆっくりと起き上った。

「あぁ、やっぱり気付いてて、さっきからわざと変なルートで逃げてたんだな。
分かってたけどね。でも我慢して探してたんだけどね。」
心なしか、ゲッソリと疲れた顔をしている。
そんな銀時に沖田は

「すいやせん。面白くてつい」
悪びれない声で謝った。

「つい、じゃねェよ!!

あーもう、いいよ。
いや、あのさ、明日の夕方くらいに、神楽迎えにきてくんない?」

「どーいうことですかィ?」
(はぁ?)という顔で訊き返された。

「いや、だからね、アレなんだよ
明日って、十三夜じゃん?
だから、片見月にならないようにしなきゃなんないわけでさ・・・」
モゴモゴと要領の得ない風の銀時だったが
沖田には、言わんとしている事が分かったようで

「ふーん」
ニヤリと笑って、続けた。
「じゃあ、俺が万事屋に行って、3人で月見したら良い訳ですかィ?」
憎たらしいほど、棒読みで言われた。

「いやいやいや、大人を揶揄うんじゃありませんよ。
言いたい事、分かって言ってんだろ。
俺はうちで、月詠と月見したいの。
だから特別に、明日の夜、神楽と月見していいっつってんだよ。」

「ほーそりゃ、外泊許可ですかィ?」

「何言ってんだ、ガキが。
んな、訳ねぇだろーが
許しません、そんなのは断じて認めませんからね
門限は9時な」

ッチと舌打ちが聞こえた。
「随分と早いですねィ
でも、アイツ月見とか興味なさそうですが。
十五夜の時も、ひたすら団子食ってやしたから。」

「あ〜、それはあれだー
緊張してるんだなぁー
トト○の隣のばあちゃんよろしく、手桶いっぱいにおはぎでも用意しときゃ、機嫌良くお月見してくれるさ」

「いや、俺、そんなにおはぎ食えやせんぜ
オタク等と違って」

「大丈夫だー
神楽が残さず食べてくれるー。」

「まぁ、それもそうですがねェ・・・
じゃ、俺はつまり明日の5時くらいに、お宅にチャイナ娘迎えに行きゃ良いんですかィ?」

「おぉ、その通りだ。
物分りが良くて助かるよ、沖田くん」

「分かりやした。
アイツにゃ、そう伝えておきやす。」

この時、沖田はとても黒い笑顔をしていたのだが
ホッとして遠くを見ていた銀時は気付かなかった・・・



********


翌日(11/27) 晴れ (午後5時半現在)

万事屋には、銀時、神楽、月詠がいた。
そこに沖田がやってきた。
昨日言われた通り、おはぎがギッシリと入った手桶を持って

「ごめんくだせェ」

「おー遅かったなァ」

「ちょっと準備に時間がかかっちまいまして」

「そうかい」

(それじゃあ、コイツよろしく)と言おうとしたところで神楽に遮られた

「おぉ、本当におはぎ沢山アルナ
みんなで食べても6つ位いけそうアル!!」
神楽が嬉しそうな声をあげた

「はぁ?!?!」
銀時は素っ頓狂な声を出した

(おい、何言ってんだ)と言おうとしたところで、今度は沖田に遮られた

「あれ?何驚いてんですかィ?
9時まで4人でお月見したいからおはぎ持って来いって言ったのは旦那じゃねぇですかィ」

TheドSという意地悪な笑みで言ってきた。
明らかに、銀時が月詠と2人でいたいのを邪魔して楽しむつもりだ。
神楽にはうまい事言って、銀時がみんなで月見したがっているという風に伝えたのだろう。

さらに
「うむ、皆でワイワイとお月見も良いのう」
月詠まで、それに賛同してしまった。

銀時は(くっ)と悔しそうに沖田を睨んだ
(やられた!!)とは、思ったが、今回は4人で見るしかなさそうだ。
月詠に楽しそうに言われてしまっては、もう何も言えない

溜息をついてから、お茶を4つ淹れる準備をした。








その後、何故か『大ロシアンおはぎルーレット』が開催されたのはまた別の話

ついでに、何故か銀時と神楽ばかりがタバスコたっぷり入りおはぎに当たったのは更に別の話

「み、水ゥゥ〜!!銀ちゃん、水ゥ〜!!」

「いや、俺も水ゥ〜!!
てか、お前等、なんで、一個も当たらないの?なんで俺らだけ当たってんの?」

「たまたまじゃ、2人とも運が悪かったのう」

「普段の行いが悪いからですぜィ」





あぁ、結局誰も見てないけど(can’t tell it to your face)
今夜は月が綺麗ですねぇ  (I love you)


【終わり】


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