背を預けし2




『路傍の花』
なーんて恰好のつくもんじゃないが、自分たちは間違いなく荒れ地に咲く野草だ。
踏まれても踏まれても、起き上がって上に向かって伸びて行く生命力の強い雑草。
そういった性分であっても、踏み潰され、踏みにじり続けられて、ちょいと起き上がりがたい・・なんて時がある。
そんな時に、水をかけてくれる、陽の光を注いでくれる。そんな人は中々出会えるもんじゃない。
俺にとっちゃそれが近藤さんであり、
甚だ不服ではあるが、土方コノヤローだったりする。
そりゃあ、優しいばかりじゃない。
時には厳しく叩き起こされることもあるけど、間違いなく、あの人たちは、一生にそう何人も巡りあえない類の人たちだ。

そんじゃあ、アイツはどうなんだ。
あの妙ちきりんなセエチャイナ娘は、どこに分類されるんだろうか

はてさて
別に困ったときに手を差し伸べてくれたり、叱咤激励、鼓舞してくれるわけじゃない。
そりゃまぁ、偶に助けられることはあったけど。

現に今、背を預けて戦っているわけで
まぁ、信用はしてる。
腕が立つことも知っている。
でも、出来りゃあんまりこういったことに巻き込みたくない
という気持ちもある。

コイツは極度に人を傷つけることを恐れている。
それは悪いことじゃない。
寧ろそうあって然るべきだ。
ただ、コイツは強いから
人に護られるよりは護る側につく事が圧倒的に多い。
そうすると、コイツの人を殺ることに迷いがある動作は時として命取りとなる。

今だって、大勢に囲まれながらも、相手の致命傷にならないよう手加減しているし、銃だって手足だけを狙っている。
そいつァ、体力も弾も余計にくっちまうぜ。


そんなことを頭の片隅で考えながら、向かってくるゴロツキを容赦なく片っ端から無駄のない動きで確実に仕留めていく。

それにしても、思っていたより敵さんの数が多い。いったいどこに隠れていやがったんでィ。

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