沖田視点
今日は非番だ。
それなのに何だって、こんな面倒に巻き込まれなきゃなんねェんだ。
歩いてたら、袴に刀を差していたからか、変な奴等に絡まれた。
それが犯罪の片棒を担いでるようなヤツだったから、処理しなきゃならなかった。
しょっ引くのは、巡回してる部下呼んでやらせたけど。
まったく、気分のいいオフじゃねェ。
あとは連れてくだけの状態になったところで、隊士に
「じゃあ、後頼まァ」
と言って、さっさと現場を離れて、繁華街の方へフラリと歩いて行った。
今日は、なんとなく朝からスッキリしなくて、気晴らしに外出たのに、やっぱり面倒事に巻き込まれて、気分が滅入った。
あんまり、斬りたくない気分だったってのに。
はぁぁ〜
無意識のうちに溜息が出た。
「オイ、何を溜息なんかついてるネ。幸せが逃げるアル。
まぁ、オマエに元々幸せなんかないかもしれないケドナ。」
声がした後ろを振ると、ニシシシシと笑うチャイナがいた。
「なんだ、オメーか。今日はとことんついてねェぜ」
わざとがっくしと肩を落とした。
「なんだと、コノヤロー」
「悪ィが、今日は遊んでやる余裕ねェぜ。」
「な!!それじゃあ、いつも私が遊んでもらってるみたいじゃないアルカ!!」
「いつも、喧嘩に付き合ってやってんだろィ」
「何で上から目線アルカ〜!!ムカツクアル〜
オイ、このドS野郎、私と隣のゲーセンで勝負アル!!!
もちろん、コイン代はオマエ持ちナ」
「何、勝手に決めてんでィ。
おごってやる訳ねェだろうが。
俺ァ今から帰んだよ」
そう言い終わったところで、計ったように雨がポツポツと降り出し、すぐにザーザー振りになった。
「はぁ・・・本当についてねェ。
こりゃしばらく止みそうもねェな。
仕方ねぇから、付き合ってやらァ、ゲーセン。」
「マジでか!!ひゃっほ〜」
神楽は小躍りするように、ゲームセンターに入って行った。
それを重い足取りで追う。
→続く
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