not a girl, not yet a woman 1


噂と言うのは、尾ひれはひれが付いて大きくなるものであるが、
その大きくなった噂を人は信じるわけで

例に漏れず、今回もこのパターンで

「あ、神楽〜、沖田君が大怪我して絶対安静らしいぞ。」
なんて銀時が言ったものだから

「じゃあ、私、お見舞い行ってやらなきゃならないネ。
だって、アイツ嫌われ者だから、他に見舞ってくれる人なんていないアル。」
神楽は飛び出すように出かけて行ってしまった。


途中で
(病院の場所聞くのを忘れた)
と思ったけど、戻るのが面倒くさかったので、真選組で直接聞くことにした。

入口で、たまたま見たことあるヤツに会ったので声をかけた。

「あー、ねぇ・・・・・・・・・
・・・・・ザキ!!!
サドって、どこの病院いるアルカ?」

「今、名前出てくるのすごく時間かかったよね!?
山崎です!!いい加減覚えてよ。」

「あぁ、うん、モブ。
で、どこアルカ?」

「うん。いいよ、いいよ。
俺って結局そういうポジションなんだよね。

沖田隊長なら、部屋にいるよ。病院ってなんで?」

「え、アイツ、大怪我して安静なんじゃないアルカ?」
「あぁ、確かに足怪我してるけど、すぐ治ると思うよ。大事を取って今日はお休みみたいだけど。」
「へ?なんだ、そうなのカ。心配して損したアル。」

「まぁ、折角来たんだし、顔見て行ったら?
お見舞い来たんでしょ?案内するよ。」

「ジミーのくせに神楽様に指図するなんて、100万年早いアル。
さっさと案内するヨロシ。」
「なんか、俺の扱いひどくないぃぃぃぃぃー?!」

自分の不遇を嘆いたけど、根がイイヤツの山崎はちゃんと神楽を沖田の部屋の前まで案内した。

「じゃあ、俺はこれで」
ついでに、気を使って、部屋の前でリターンしていった。

頑張れザキ、負けるなザキ、誰かがザオリクかけてくれるさ。



一方、神楽は部屋の前まで来たはいいものの、なんて言って入ればいいか分からず、フリーズしていた。
沖田の部屋に来たことがないわけではない。
むしろ数えきれないくらい来ている。
けれど、1人で来たのは初めてだ。

う〜ん、う〜ん・・・
どうしたものかと考えていたら、声に出ていたらしく

「おい、そこにいるヤツ、いい加減入ってきたらどうでィ。」
自隊の隊員がいると思ったのか、中から沖田の声がかかった。

神楽は仕方ないので、腹を括って
「おじゃましますアル」
襖を開いた。



→続く

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