あふれた夜5




その後も、今までの表面上の付き合いを続けた。

心の隅に出来た、少しばかり空っぽになった空間は
きっとそのうち、そこに何もない事が通常となって慣れる。


俺たちは万事屋としてひのやにも行ったし、月詠も晴太をつれて歌舞伎町に遊びに来たりした。

そこで互いに言い合いしたり、クナイ投げられたり、偶に協力したり
それまでと変わらない。仲間であることは変わらない。
あったような、なかったような関係が消えただけ。
湧きあがる感情が治まるのを待つだけ。



ただ、それでも、どうしようもなく心に隙間風が吹く事がある。
無性に人肌が恋しいときがある。
言いようもなく月が綺麗な日がある。

そういう時は、酒を飲む。
場所は決めてない。時間制限も設けない。
その気分をやり過ごすため、酔いがかき消してくれるまで、呑むまでだ。




それにしても、今日はちょっと飲みすぎた。

意識が朦朧としたまま、フラフラと店を出たところまでは記憶がある。
だが、そっからどこに向かって歩いたのか分からない。
たぶん気の向くままに、無意識に目的地を定めて歩いたと思うんだ。

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