惑い月2




昼間、なんだか頭が重いなと思いながら、ひのやの前を歩いていると

「おい、オマエ!!」
挨拶もなしに、僅かに血相を変えた銀時に腕を掴まれた。

「なんじゃ、銀時。幽霊でも見たような顔をして」
来ておったのか、という声は届いていないようだった。

しかし、暫し何か考えてから表情をいつもの物に戻した。

「いや、オマエ疲れてるんじゃねェ?顔色悪ィからよ」

「いや、いつも通りじゃ」

「あの・・・さ、オメーなんかあっただろ?」

驚いた。
あったと言えばあったし、なかったと言えばなかった。
どちらかと言えば、自分の心の持ちようの問題でもある。

「・・・何がじゃ?
特に、これと言った問題は起きておらぬ。」

「いや、そういうことじゃねェんだけどな・・・・
あれだ、オマエ無理すんなよ。
それと、あんまり深く考えるな。取り込まれるぞ」

何が言いたいのか、よく分からない。
しかし、微妙に的を射ている。相変わらず要領を得ないヤツだ。


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