そして、そろそろ帰るか、ということになった。
少し名残惜しそうに、イチョウを見つめてから
2人で階段を降りて行く。
「なあ、来年も一緒に来ようぜ。
俺ァいつも、自分の悩みなんてちっぽけなモンだと思いたい時にここに来んだ。
で、今日はな、オマエと一緒ならまた頑張っていけるとも思えたんだ。」
「そうじゃな。何か心が洗われてパワーをもらった気がするのう
ぬし、来年もわっちの足になってくれなんし」
「俺の価値はアッシー君ですかァァァァァ?」
相変らず、真面目な話も最後には夫婦漫才のようになってしまうが
2人とも穏やかな笑みを浮かべながら、1つの約束を交わした。