男子高校生と帰りの電車 〜坂田の場合


高校生パロ 恋人未満 月詠視点



夕方、駅で帰りの電車を待っていると、少し奥のホームの先に、見慣れた天然パーマがヘッドホンをしているのを見つけた。
そんなに熱心に聴いている風でもなかったので、声をかけた。

「帰りが一緒になるのも久しぶりじゃな」

「んぁ?
おー久しぶりだなぁ
この時間帰るなんて珍しいじゃねーか
今日は委員会ねぇの?」

「うむ。
ぬし、部活はないのか?」

「今はテスト前だから休みなんだよ
オメーもそうだろうが」

「あ、そうじゃな」

帰り方向が同じであるため、部活帰りはよく同じ電車に乗る。
クラスが一緒で仲も悪くないから、なんやかんやと喋りながら一緒に帰るのが日課となっていた。
しかし最近委員会が忙しくて、一緒の時間に帰ることがなくなっていた。



「何を聴いているんじゃ?」

「あーこれな、最近ハマってんだ
聴いてみるか?
あ、ちょっと待て、こっちのほうがいいか」

そう言って、少しタッチパネルの画面をいじって選曲してから、ヘッドホンをかぶせてきた。

流れてきたのは綺麗なメロディに、訴えかけるような切ない女性ボーカルの洋楽。


Say you love me
You know that it could be nice
If you'd only say you love me
Don't treat me like I was lice


これは・・・・
この歌詞をわっちに聞かせたかったということか?

色恋事に疎い自覚があるわっちでも、銀時といるときに
自分たちはいい雰囲気だ
と思えることが幾度となくあった。
それに流されるように、少しずつ銀時が気になりだしていた。
彼も、自分を悪いようには思ってないのだろう。
くらいには思っていたが・・・


ちらちら、こちらを見ながら、そわそわしている男を見て、何かがプツンと弾けた。
これで、こんな事で伝わると思ったら大間違いだ。
甘い。

わっちは感情に抗わず、ヘッドホンを勢いよくはずした。

銀時のビックリした顔がこちらを見た。
その顔を睨むように、見据える。

「銀時。
わっちを、好きだといいなんし」

正面切って、言ってみなんし。
そしたら、認めてやりんす。
さあ、言いなんし。



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