3Z 恋人設定 若干描写注意
訳もなくモヤモヤしてる日ってのはあるもんだ
で、そんなときってのは、ムシャクシャして、女を抱き倒してしまいたい衝動にかられる。
勿論、誰でもいいわけじゃない。
そーゆー男もいるみてぇだけど、俺の場合は恋人限定だ。
つくづく、男ってのァ自分勝手だと思う。
でも、理性より、激情に流されやすい生き物なんだよ。
今日、俺は、一日中落ち着かなかった。なーんか、イライラして、無性に月詠が抱きたくて仕方なかった。
そう、白状すれば真っ昼間からずっと。
でも、さすがに先生だから、夜まで、大人しく我慢しましたよ。ハイ。
今日は金曜日で、もともと月詠は俺の部屋に来る約束をしていた。
俺は先に仕事を上がり、軽く飯作って、テレビ見るともなくつけながら、ソファーに座って待っていた。
しばらくすると、玄関からドアの鍵がガチャリと音を立てた後、ドアが開く音がした。
月詠が帰ってきた。
「すまぬ。遅くなってしまいんした。」
謝りながら、靴を脱いでこちらにやってくる。
「おけーり」
振り向かずに声をかけた。
月詠は、座ってる俺の方の顔を覗き込むように近づきながら言った。
「ぬし、ご飯は…」
食べたのか?という続きは言わせずに
俺は月詠の腕を引っ張り、こちらに引き寄せた。
そして、乱暴に口付けて、唇を首筋に添わせながら、シャツをはだけさせ、あっという間に、ブラジャーのホックを外した。
「え、ちょっ、なん・・・待ちなんし・・」
という、抗議の声は当然、無視した。
胸を強く揉みしだいて、先端部をねぶるように舐めていると
フワリと頭を撫でられた。
「え?」
と思って顔をあげると、穏やかな慈しむような笑みをたたえた顔があった。
「どうしたんじゃ?」
それはそれは優しい声で訊いてきた。
そんな風に言われると、なんと答えたら良いのやら分からず
「いや、なんか・・・なんとなくな・・・」
曖昧に答えた。
「そうか。」
頭を撫でる手は止めずに、相変わらず優しい声で続いた
「のう、銀八。良いんじゃぞ。
そういう日もあるじゃろう。
わっちゃ嫌じゃないし、無理な時はちゃんと言う。
だから、ぬしも、無理をしてくれるなよ。
もう少しわっちに、寄りかかってくれなんし。」
正直、コイツはバカなんじゃないかと思った。
欲望のまま、自分を抱こうとした男にこんな事を言うなんて。
でも、同時に思い知らされた。
全く、大した女に惚れちまったもんだ。って。
ハッ敵わねぇな。
俺ァそんなこと、逆立ちしたって言えやしねぇ。
毒気を抜かれてしまった。
さっきまでの、ささくれた気持ちは、綺麗サッパリなくなった。
月詠を大事に、丁寧に抱こう。
そしたら、2人で、夕飯食べよう。
そう思いながら、もう一度、その柔らかな唇をふさいだ。
[終わり]