お互いさま



銀時が畳みに寝っころがってる。
その横に座っていたら

「なぁ、キスして」
唐突に言われた。

「えっ?」
顔を向けると

「たまには、オマエからしてよ」
とおねだりされた。

別に可愛くはなかったが。

(そんなこと言われても・・・)
暫し固まっていたら

「ほら」
手がこちらに伸ばされた。
わっちはその腕に導かれるように距離を縮める。
寝そべる彼の顔の真上まで自分の顔を持って行って、ピタリと目を合わせた。

そこまでしても、自分から行く踏ん切りがつかず、止まっていると

「ん」
唇を突き出して
(ほらこいよ)と示してくる。

「うぅ・・・」
詰まりながら、ゆるゆると顔を下におろし
ゆっくり口付けた。

軽く触れたあと、顔を離そうとしたが、後頭部を手で押さえられ、叶わなかった。

音を立てたり、深くなったりしながら何度も吸い合う。

しばらくして、後頭部に添えられていた銀時の手が解かれた。
口が離れたので顔を少しあげて、目を開けた。

自分の下にいる男は、ポリポリと頬を引っ掻いていた。
「やっぱ、髪当たるとくすぐってぇな」
「それは、すまぬな」
「お前のサラサラストレートはうらやましいけどな。
場所変わってくれ」

そう言って起き上ったあとに
銀時が上でわっちが下といういつもの体勢に入れ替わる。

そしていつものように、銀時の顔がおりてきて、口付けが降ってきた。
その唇は段々と下におりて、首や鎖骨が喰まれる。

それに合わせて、ふわふわな銀髪が自分の首元をくすぐる。

わっちだってくすぐったい。

「たまには、ぬしもくすぐったいのを我慢しなんし」
終わったら、そのくらい言ってやろうか。



[終わり]


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