make a wish 2




その後、何箇所か回ったが、結局決まらなかった。
一休みしようということになり、今はカフェでお茶をしている。

数人で分ける用のデザートプレートを1人でがっつく男を前に見ながら、ブラックコーヒーを口に運ぶ。

「あ、そーいや、神楽どうだった?」

「あぁ、あれは放っておいても大丈夫な例じゃろう」

「や、まぁ、そうなんだけどよ。
一応悩んでる方は、だいぶ参ってるみてェだったからな」

「うむ。当事者はいつでも全力だからな。神楽は特に、全身全力で一直線だからのう」

「おう。八つ当たりされる担任も辛ェのよ」

「頼ってもらうのは嬉しい癖に、よく言うのう。
適切な時に、適切な言葉をかけるのが、大人の役割にありんす。
また助けを必要とする時は言ってくるじゃろう
見守るだけというのも、ぬしには歯痒くてキツイかもしれぬが」

「ふん、そんなんじゃねェよ。
じゃ、そろそろ続き行くか」

銀八は、会計伝票を持って先に立ちあがった。
なんだ、珍しい。払ってくれるつもりか?
まぁ、今日は大人しく気持ちを頂いて、端数くらいは出すとするか。



それから、近くのデパートを回った。

1階の化粧品売り場
3階のレディースフロア
5階のメンズフロア
8階の雑貨フロア

やはり『これ!!』というものは見つからない。


「やっぱり、アクセサリーなんかが定番なのか?
雑誌とかでもよくクリスマス特集とかあるし、限定デザインとか出るしよォ。」

「あぁ、まぁ、確かに」

「じゃ、ちょっと見てくか?」

「そう・・・じゃな」

そんなに気は乗らないけど
貴金属売り場をさらっと見て回った。

ネックレスもピアスもブレスレットも、今あるもので事足りている。
シンプルなデザインが好きなので、バリエーションや服を選ばないため、数もいらない。

やはり、ここも特にはないか・・・

ふと横を見ると連れの男がいない。
『あれ?』と辺りを見回すと
1つ前のケースを見ていた。

控え目な銀色が特徴的なシンプルながら目を引くデザインの小物がそろっていた。

「銀八?」

「あぁ、悪ィ。
こういうの、オマエ似合いそうだな、と思ってよォ。」

「確かに、こういったデザインは好きじゃな。
ぬしも好きそうじゃな」

「ん〜、ま、確かに嫌いじゃねェな」

しげしげと見つめている
この男がこんなに見ているとは、よほど気に入ったアイテムでもあったか



結局その日は決まらずに、『何かほしいものないか考えておく』
という方向で話がまとまって、帰った。


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