make a wish 1


○3Z 恋人設定○



〜♪〜
ねぇ、サンタさんお願い
ずっと良い子にしてたでしょ
だから彼の心を頂戴
樅の木の下で待ってるから
サンタさん、私のほしい物はそれだけなの
〜♪〜



約束の5分前。
いつも時間には余裕を持って行動する。
相手が必ず遅刻する相手であっても、である。

『遅れる』というメールが来ていないから15分以上の遅刻はないだろう。
しかし、最低でも10分くらいは待たなければならないか。


恋人との待ち合わせ場所
その前にあるビルの大型モニターには今話題の美少女アイドルのクリスマスソングPVが流れている。

『可愛らしいなぁ』
と率直に思う。自分のキャラではないが、あれだけ可愛い娘にお願いされて落ちない男などそうそうおるまい。

世の中の女子は、あんなに素直になれないから、ああいった曲が人気が出るんだろうなぁ
自分もあんな風になりたいという女子とあんな風に思われたいという男子から支持されるんだろうなぁ

なんて、商業的な観点からしか物事を見られない辺り、自分は可愛げがないんだろうなと思う。
まぁ、可愛いと思ってほしいなんて考えてないから、いいのだが。


ぼーっと画面を見つめていたら

「何、オマエでもあんな曲に思う所があんの?」

やる気の全く感じられない声が後ろからかけられた。

「ああいう可愛らしい娘が頼んだら、ぬしのような遅刻魔も早めに来るのかと考えていんした」

「いや、悪かったって。遅れたことは」

「そう思っているなら、次回から改めなんし」

「へいへい。すいませんっした。
で、決まったか?」

そう、今日はクリスマスプレゼントの下見をする予定なのだ。


クリスマスプレゼントに何がほしいのかと訊かれて、ほしいものがすぐに浮かぶ人は充実しているのだと思う。
生憎と自分は思い浮かばない部類の人間だ。
プレゼントを送られる機会は年に数回あるが、毎回困る。
いらないものをもらっても嬉しい素振りを見せるような健気さも器用さも持ち合わせていないが、リクエストもない、という対応し難い女なのだ。

久しぶりのデートがプレゼントの下見というのも色気がないが、致し方ない。

しかし、まだ物が決まっていないので下見場所も未定のままだ
さて、どうしたものか・・・

「ぬしは、決まったのか?」

「俺?あー俺ァ、オメーがくれんなら、何でも嬉しいぜ」

感情がろくすっぽこもってない声で言われてもな・・・

はてさて、どこに行ったもんか。
取りあえず、ショッピングモールあたりが無難か
ぶらぶらしていれば何かしらみつかるだろう


1/7


[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]

ページ:







「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -