underneath the christmastree 3




そして放課後

「もー嫌アル〜」

担任の銀ちゃんとの進路相談の際、堪らず声に出して机に突っ伏した

「おい、コラ、神楽
面談すっぞ。ここは、心のお悩み相談室じゃねぇんだ」

「ケチくさい事言うなヨ〜
うら若き乙女が青春の溜息ついてるアル
黙ってケーキの1つでも差し出すのが大人の対応じゃないアルカ?」

「だ〜!!もう、面倒くせぇ
んな事、なんで俺がしてやんなきゃなんねーんだよ
ケーキなら俺が食うわ」

銀ちゃんは『はー』っと大仰に溜息をつき
「ちょっとそこで待ってろ」
と言って進路指導室を出て行ってしまった。

1人取り残されて、手持無沙汰で
見るともなく外に視線を向ける
あー綺麗に晴れてる

と思ったところで、ドアが開かれた。
入って来たのは銀八ではなく、月詠だった

「え、ツッキー?」

保健体育の先生である月詠先生。
神楽も大好きな教科で、よく話もする。

「うむ。銀八に頼まれてな。
とりあえず、飲みなんし」

そう言って、暖かいココアを置いてくれた。
いいなぁ、素敵な大人って感じ。銀ちゃんとは大違い
ん?今銀ちゃんに頼まれたって言ってなかったアルカ?

まぁ、いいか。


「神楽。ぬしも色々大変じゃな」

「え?何がヨ?」

「過保護な担任と、色男の想い人がいて・・・かのう。」

「な、なななな何言ってるアルカ
そんなんじゃないアル。全くもって、あのサド王子が好きなんてことないネ」

「わっちは、一言も沖田とは言っておらぬぞ。」

「あ・・・」
しまった。

「ぬしは分かりやすいからのう。」
ふふふ・・・と笑って言われた。
大人だなぁと思う。
私も早く大人の女になりたい。


「素直になることじゃな」

「頭では分かってるアル
でも、それが思ってるより難しいネ」

「そうじゃな
こうできたら可愛いだろうにと思うことはなかなか実行にまで移せんものじゃな

まぁ、焦ることはない。
クリスマスまではまだ日がある故
周りから攻めていきなんし
でも、くれぐれもヤケになって余計な事はいわぬようにな。
これは、人生の先輩からのアドバイスじゃ」

まだ時間ある・・・だなんて、もうすぐだヨ〜
だから色んな子が入れ変り立ち替わり、声かけに来てるのに
確かに焦ったって仕方ないけどさ・・・

口を尖らせていると
クスクスという笑い声が前方から響いた。

「大丈夫、それだけ可愛いのだから、自信を持ちなんし
少なくとも卑屈になる必要はない
それと、ここぞというときは見誤るでないぞ
女は度胸じゃ」

う〜ん?

「さ、そろそろ行きなんし
次の人の面談時間じゃろう」

「ありがとアル
ごちそうさまヨ〜」

そう言って、ドアから出た

なんか励ましてもらったな。
何にも解決してないけど、気分が楽になったな
私って単純アルナ〜


3/11


[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]

ページ:







第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -