violets are blue 1


銀月 恋人設定




珍しく月詠の仕事が二連休で
しかも休みの前の夜に仕事あがってから来て、二日とも泊まってくというので、神楽と新八は志村家に行かせることにした。
という、年にそう何度もない完璧なシチュエーションなのに・・・

何で仕事入っちまうんだァァァァァァァァァ!!!!!

しかも一日中ときたもんだ・・・・
ついてねェな。


あからさまにへこむ俺に対して月詠は
「仕方なかろう」
と、さらりと言ってのけた。

「あ、たぶん遅くなるから晩飯もいらねーわ」
と言う自分の声に、悲壮感が漂っていたらいいのになぁ〜
はぁぁぁ・・・せっかく月詠が休みで1日ゆっくりするプランだったのに、悲しい。

「ぶつぶつ言ってないでさっさと行きなんし」

というやりとりがあったのは今朝9時過ぎのこと。




そして只今午後3時

急遽仕事が予定の半分になり、依頼は終了した。

「ったく、早く終わるかもしんねェなら、先に言っとけよ。
長引かないで、だいぶ早く帰れることになったから良かったけどよ。」

帰ったら月詠びっくりするだろうなぁ〜
と思いながら、やや急ぎ足で帰路への歩みを進める。



そして、インターホンを押さずに
「たでーまー」と言いながら、ガラリと玄関の引き戸を開けると

奥から『ガタガタッ』と物音がしたあと、パタパタとかけてくる足音がして
恋人と姿を見せた。

「早かったのう。こんなに早く帰ってくると思わなんだから、びっくりしんした。」
大きな目を更に大きくしながら出迎えてくれた。

「おう。なんか依頼内容が変更になって、半分の時間で終わってよォ。」

「そうか。ご苦労でありんした。
疲れたじゃろう。」

「そーでもねぇけどな」
ブーツを脱いで、廊下を歩きながら、居間へ向かう。

そして、玄関にいる時から思っていた事を口にする。
「ところで、この匂いはチョコレートか?」

月詠は『ギクリ』という効果音の入りそうな反応をしたあと
諦めたように口を開いた。

「そうじゃ。
ぬしがもう少し遅くなると思っておったから、取りかかったのが遅かったゆえ、まだ途中だが」

「ふ〜ん、チョコ使って何か作ってたのか?」

「またには手作りするのもよいかと思って・・・
その・・・バレンタイン・・・だったからのう・・・」

その言葉を理解すると同時に、右手で緩む自分の口元を押さえた。
あんだよ、可愛いコトすんじゃねェかよ、コノヤロー
そうか、先週バレンタインだったっけな、糖分王の俺とした事が忘れてたぜ

「何、オマエ、俺にチョコ作ってくれようとしてたの?」
嬉しさを隠しきれない声で問えば、
月詠は視線を左斜め下に逸らしながら、コクリと頷いた。

「彼氏に手作りチョコなんて、乙女なの?
やっべ、ちょー嬉しい」
最後に、小さい声でボソリと本音が漏れてしまった。

「まだ湯煎しただけで、全然できてないんじゃ・・・
すまぬがもう少し待っていてくれなんし」

「おう、分ぁーった。
じゃあ、俺ちょっくら風呂入ってくるわ」

「あぁ、そうしてくれなんし」


→続く
1/2


[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]

ページ:







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -