underneath the christmastree 1


○3Z設定 恋人未満○



〜♪〜
ねぇ、サンタさんお願い
ずっと良い子にしてたでしょ
だから彼の心を頂戴
樅の木の下で待ってるから
サンタさん、私のほしい物はそれだけなの
〜♪〜



クリスマスパーティー準備の買い出しで来た量販雑貨店の販促用ディスプレイには、大人気アイドルのクリスマスソングPVが流れている。
サンタだって、あれだけの美少女に、あんな可愛くお願いされたら喜んで叶えてあげちゃうんだろうな。
可愛い子は自分を可愛く見せる術を知ってて、最大限の武器にするんだ。

私だって、あんな風に素直にお願いできたら・・・可愛く自分の気持ちを言えたら・・・


「神楽ちゃん?どうしたの?」

一緒にクリスマス女子会の買い出しに来ていた妙に声をかけられて、ハッと現実に戻った。
「あぁ、ゴメン、ボーッとしてたアル」

もう一度チラッと画面のアイドルを見てから、彼女の方に駆けていった。



そう、私は片思いをしている。
結構前から。
でも、相手が自分の事を何とも思ってないってよく分かっているから
今の隣の席の喧嘩友達という関係を保っている
それに不満はない。
でも、クリスマスっていうのは、やたらとカップル成立を推奨する風潮が世間の空気に流れるから、ちょっと焦るのは本当のところだ。

更に、あいつはモテる
別に好みじゃないけど、確かに黙ってれば美少年の部類に入る。
だから、最近やたらと呼び出しされてる。
席が隣だから嫌でも耳に入る。
いつもダルそうにして、特定の子は作るつもりがないと言ってたから
『イエス』と言う事はないのだろうけど。
気になる。でも聞けない。


ヤダなぁ、こんなウジウジしてるの。私らしくない。
クリスマスのせいだ。
クリスマスが悪いんだ。

1/11


[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]

ページ:







第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -