underneath the christmastree 11



そうこうして、記念撮影をしていたら
人の良さそうな係のお兄さんが
「よかったら、一緒にお撮りしましょうか?」
と声をかけてくれた。

2人して「「えっっ?」」という顔を向けたが、変わらずニコニコとしているお兄さんに

「じゃ、じゃあ、お願いしますアル」
神楽はおずおずとケータイを渡した。

「はい、撮りますよ〜笑って〜」


微妙に緊張した面持ちの2人と綺麗にライトアップしたツリーの写真が撮れた

「ありがとうございやした」
「ありがとうございましたアル」

お礼を言うと
「いえいえ〜楽しんでいって下さいね」
お兄さんは相変わらずのナイススマイルで去って行った。

「一応、あとで写メ送ってくれ」
「分かったアル」



気まずい訳ではないが、なんとなく、何を話したらよいものか・・・という空気が流れた。


「なぁ、チャイナ」
数秒後に沖田が意を決したような声で呼びかけた。
神楽は『ん?』という風に、顔を向けた。

「これ、オメーにクリスマスプレゼント」
そう言って、鞄から20cm位のラッピングされた袋を出して渡してきた。
そのまま受け取ってから、はたと気が付いた神楽は驚きをそのまま口にした。

「え、えぇぇぇ??!!わ、私にアルカ?」

「他に誰がいるんでィ?」

「いや、だって、オマエそういうキャラじゃないアル。
予想外でビックリしたアル。」

「俺だって、そんなことァ分かってんでィ。
でも、仕方ねェだろうが。
惚れた女とクリスマス出かけるんだったら、プレゼントの1つでもないと格好つかねェからなァ」

「惚れ・・・た?」

「何度も言わすんじゃねェよ。」

「いや、だって・・・・
マジでカ?!」

「あぁ、マジだよ。マジですよ。」

「なんだ。気合入れてオシャレしてきた良かったアル」

「は?」

「今日の格好は、みんなに見立ててもらった勝負服アルヨ。」
そう言うと、神楽は口元に笑みを浮かべたまま
ごそごそと鞄を探り、いかにも自分でラッピングしましたという文庫本大の紙袋を沖田に差し出した。

「はい。私からクリスマスプレゼント。
友達としてじゃないと渡せないと思ってたから、たいしたものじゃないケド」

「チャイナが俺に?」

「他に誰がいるネ」

「いや、そうだけどな」

「これ開けてもいいアルカ?」

「あぁ。」

神楽が嬉々として、ラッピングのリボンをほどくと
クリスマス仕様クマさんのぬいぐるみが出てきた。

「わぁ、可愛いアル!!
これ、雑誌に載ってたクリスマス限定のやつアルナ。
ありがとアル〜」

飛び上がりそうな様子で喜ぶ神楽にホッとしたような表情を浮かべた沖田

「これ、開けていいかィ?」

「あ、うん。どうぞ。ホント、たいしたものじゃないけどナ。」

しゅるりと、リボンひもを取って袋を開けると
中には、クリスマスツリーの形のクッキーが入っていた。
手の込んだことに、クッキーの表面には、アイシングで色や模様が描かれていた。

「これ、まさか、オメーが作ったのかィ?」

「そうアル。ちゃんと味見したし、綺麗なヤツだけもってきたから大丈夫なはずアル」

「サンキュ。用意してくれてるなんて思ってなかったからすっげぇ嬉しい。」

自然な笑みをお互いにむける。

「最後に観覧車でも乗って帰るかィ」

「サドにしては、良い考えネ」

「どういう意味でィ」

「他意はないアル」

軽口を叩きながら、2人で観覧車乗り場に向かう。
喧嘩するように、バシバシと叩き合いをしていたそれぞれの手は
乗り場に着く頃には、仲良く繋がれていた。




〜♪〜

ねぇ、サンタさんお願い
ずっと良い子にしてたでしょ
だから彼の心を頂戴
樅の木の下で待ってるから
サンタさん、私のほしい物はそれだけなの

〜♪〜

Enjoy your Christmas



【終わり】
お付き合い頂きありがとうございました
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