2時過ぎに遊園地に入場した。
用意の良い事に、沖田が前もってチケットを買っておいてくれていたので、券売り場の長蛇の列に並ばなくてよかったので助かった。
混んではいたが、乗りたいアトラクションには粗方乗れた。
ジェットコースター
(乗った後の沖田が青い顔していたので、ちょっと休んだ)
お化け屋敷
(叫びすぎで神楽の声が掠れたのでティーブレイクいれた)
迷路
(進む方向の意見が合わず、喧嘩に発展したせいで監視員にセットを壊すなと怒られた)
そんなこんなで、結構楽しんでいたら
あっという間に辺りが薄暗くなっていた。
5:30にツリーが点灯するということだったので、その5分前に中央広場にある大きなツリーの前に行った。
すでに大勢の人が点灯の瞬間を見ようと集まっていた。
「チャイナ、そこから見えんのかィ?」
「ん〜ちょっとだけ見えるけど・・・」
「こっちと場所変わってやんよ」
そう言って沖田は自分が立っている場所に、神楽の腕を軽くひっぱって移動させた。
「あ、こっちの方がよく見えるネ。
ありがとアル」
「もっとよく見たきゃ肩車してやろうか?」
ニタ〜っと笑いながら揶揄うように言われたので
「何を言ってるアルカ!!
嫌に決まってるネ。ちょっと背が低いからって、子供扱いすんなヨ」
イラっとしてポカポカ殴ったが、人が多くて余り動けず、残念なことに力が入らなかった。
動くと周りの人に迷惑がかかるのですぐにやめた。
ぷくっと頬を膨らませている神楽の顔を見て
沖田は隠すことなく笑いながら
腕時計で時間を見た。
「お、もうすぐ点灯するな」
そう言ったすぐあとに、カウントダウンが始まり、10秒後に大きなツリーがパッと明るく輝いた。
歓声と拍手が沸き起こり、カメラで撮影する人があちこちで見受けられた。
そうこうするうちに少しずつ人が捌けていった。
「人減ったな。もう少し近くまで行ってみっか」
「あ、行きたいアル!!」
2人で人混みを掻き分け、ツリーのすぐ傍まで行った
神楽は『わ〜』と嬉しそうな声をあげて、ケータイで撮影をしだした。
「おい、サド、ツリーと私を撮るヨロシ」「へいへい」