underneath the christmastree 6





今日も沖田は呼び出されていた。
そりゃ、ルックスだけは良いと有名な男が、
『来週に迫ったクリスマスに予定ないらしい』なんて話を
その顔に騙された子が小耳に挟んだら
『いけるかも?!』って思っちゃうよな。
そうやって頑張って告白する女の子は、すごく健気で可愛いと思う。
私にはそんな勇気ない。

沖田は、諦めさせるためにバッサリ断るって言ってた。
うん、アイツなら好きでもない子の告白は容赦なく叩き斬るだろうな。
私は、そんなことされたら立ち直れないよ。
それが分かってるから、気持ちを抑えて見ているだけ。
ズルイよね、でも今の関係にも戻れない事を考えると怖い。


遠回しにもストレートにも、色んな人から『頑張ってみたら?』って言われたけど
やっぱり無理だ。
告白しようとしてやめる、というのをこの一週間何度も繰り返している。



「起立、礼〜」
「「「さよ〜なら〜」」」
「おー気をつけてけーれよー」


今日もやっぱり無理だった。

机に突っ伏したい衝動に抗って、鞄を背負おうしたら

「げ、またか」
珍しく感情のよく籠った声が隣から聞こえた。

「そんなに嫌なら、予定いれたらいいアル。」

「簡単に言うなよ」

「オマエなら、簡単だロ?」

「あのな、どんだけ人の事を偏見の目で見てんでィ」

「別に、そういうんじゃないアル。
ただ、選ばなければ、相手なんていくらでもいるんダロ」

あぁ、何言ってんだろ、私。
こんな事が言いたい訳じゃないのに。

「オメーも、適当に遊べる男なんざ、沢山いんだろ?」

「なっ!何を・・・」

「って言われたら気分良くはねェだろィ?」

「うっ・・・悪かったアル・・・」

自分の気持ちに精一杯で、酷い事を言ってしまったと俯いた。


「いや、俺も悪ィか・・・ちょっとイライラしててなァ。
予定、ねぇ・・・
なぁ、おい、チャイナ。
さっきの、聞かなかったことにする代わりに、24日付き合いやがれ。」

ビックリして顔をあげると、真っすぐな目がこちらを向いていて
考える間もなく、無意識のうちに頷いていた。

「よし、決まりな。
じゃ、そういうことで頼んだぜィ」

そう言って、沖田は軽く手を後ろ向きに振りながら教室を出ていった。

ハッと我に返った時にはもう、沖田はいなかった。

なんか、大変な事になっちゃった・・・?


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