underneath the christmastree 5




午後一番の授業は体育

今日は日直なので、授業前に先生の所に準備物などがないか確認しに行った。

「先生〜次の授業Z組の日直です。よろしくお願いしまさァ。」

「ん?あぁ、今日の日直は沖田でありんしたか。
ちょうどよかった。
ここに置いてあるコーンを半分運んでくれなんし。」

「分かりやした」

体育教官室には月詠先生しかいなかった。

2人でグラウンドまでコーンを運ぶ。
教官室からグラウンドまでの短い距離の間に

「あ、沖田くんいたよ!!
でも、日直の仕事中かぁ・・・
残念。次の休み時間にリベンジだよ!!」

とか何とか言ってる雌豚共の声が聞こえた。
リベンジってなんだよ。何の復讐をするつもりだよ。
体育終わった後の休み時間に呼び出されんのか
全くもって、七面倒臭ェ

よっぽどゲンナリとした顔をしていたのか
隣の月詠先生にクスリと笑われた。

「すまぬ。
ぬしもクリスマス前で、色々と立て込んでおるようじゃな。」

「俺ァ、特に予定はないんですがねィ。」
「そんなことを言って、声をかけてくれる女子が可哀想ではないか・・・・
と、言いたいところじゃが、その煩わしいという気持ちもよく分かるからのう。
色男も辛いのう、とでも言ったところか。」

「はぁ・・・そりゃ褒められてるんですかィ?それとも貶められてるんですかィ?」

「人の好意はありがたく受け取っておきなんし。
ぬしにだって、一緒に過ごしたい女子の1人くらいおるであろう?」

「いやせんよ」

「素直じゃないのう。
まぁ、わっちに素直になる必要はありんせんが。
しかしな、然るべき時に自分に正直にならないと、あとで後悔しても遅い・・・
ということになる、ということは覚えておくんじゃな。
相手だって、いつまでもフリーという訳ではないのだから。特に、クリスマス前というのはカップル成立率の高い時期じゃからな。
ま、あくまで人生の先輩の戯言じゃ。」

俺は無言でコーンを運びながら、前方で準備体操を始めるために整列し始めたクラスの女子のほうをぼんやりと眺めた。

「よし、ここで、よいぞ。
ありがとうな、沖田。
さあ、ぬしも早くクラスの整列場所に行きなんし。
そろそろ出席を取り出す頃じゃ。」

「え?あ、はい。
ありがとうございました。」
えっ、なんで礼言ってんだ俺。

先生も一瞬ビックリしたような顔をしていたが、すぐに笑みに変わり

「頑張りなんし」
と言われた。
なんつーか、こういうのを大人の余裕って言うんだろうな。
俺もそういうのほしいもんだ。


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