more than friend4


髪の毛を念入りに乾かしてからリビングに戻ると、ツッキーはパソコンに何やら一生懸命打ち込んでいた。

「あ、すまぬ。もう少し良いか?」

「あ〜気にしないで続けて。
私、お肌の手入れするから」

真剣な顔でパソコンに向かうツッキーを横目に見ながら
化粧水、乳液、美容液を丁寧に肌に浸透させていく。こういう日々の努力が大事なのよね。地道な努力によって私の美貌はキープされてるってわけよ。

一通りの基礎化粧が終わった後、部屋の細々した片付けをする。
明日着る洋服を準備していると、後ろで
「うむ。」
と小さくだが満足気に息を吐き出しながら呟く声が聞こえた。
「猿飛、ありがとう。終わりんした。
パソコンは、つけておいたほうがよいか?」
と、言葉が続いた。

「あぁ、さっき私は使ったからもういいわ。
シャットダウンしちゃって。」

「そうか。分かった。」

数秒後には、プツリという音と共に、パソコンは今日の活動を終えた。

気が付けば時刻はそろそろ12時になろうとしていた。
そろそろ寝ないとお肌に負担がかかる。


「じゃあ、寝るわよ。
で、明日は何時に出るの?」

「すまぬが7時過ぎに・・・ここからだと、乗り換えが変わる故・・・」

早いわね。
そう、忙しいのね。

「ん、分かったわ。
私のシャツ貸してあげるから、ありがたく着て行きなさいよ。」

そう言ってから、ベットとその横に作った簡易の寝床に2人で寝そべって、部屋の電気を消した。


暫く沈黙が続いたが
ツッキーがポツリと言った。

「ありがとう、猿飛。
何も訊かずに、受け入れてくれて。」

「勘違いしないでよ。
私のせいでツッキーが風邪ひいたら銀さんに顔向けできないじゃないの。

いい?私がここまでしてあげたんだから
忙しいのは分かるけど、明日は頑張って早めに仕事切り上げて、さっさと銀さんと仲直りしなさいよ。」

別に心配してあげてる訳じゃないんだからね。
横から、ふふふ・・という柔らかい笑い声が聞こえた。

「ありがとう。
ぬしのような友達がいて、わっちは幸せじゃな。
では、おやすみ」

なによ、自分だけ言いたい事言ってんじゃないわよ。
べ、別に嬉しくなんてないんだからね!!

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