more than friend3

そんな他愛もない感想やツッコミをお互いに所々で口にしながら鑑賞すると
一時間なんてあっと言う間に過ぎてしまう。


「あ〜今回もまた良い所で次回につづくなのね。
おあずけなのね。そういうプレイなのね、まったくテレビのくせにいい趣味してるじゃない!!興奮するじゃないのよ〜!!!」

「さ、猿飛、落ち着け」


必死に私の大声を止めようとしてるツッキーにくるっと顔を向けた。

「と、言う訳で、お風呂はいってきたら?」

「えっ?」
驚き顔がこちらを見ている。

「え?じゃないわよ。」

「いや、切り替えが急だったからビックリしてな・・・」

「女は切り替えが大事なのよ。恋愛は上書き保存なのよ。分かってる?」

「そ、そうじゃな。ぬしがそういうなら、そうじゃな。」

「分かればいいのよ、さっさと入ってきなさいよ」

まだもじもじとしているツッキーに怪訝な目を向けていると、視線がかち合った。

「あ、あの・・・すまぬが部屋着を貸してはもらえぬか?」

「あぁ。そうね。そうだったわね。
まぁ、ツッキーなら大体の私の服いけるわよね。
ええっと・・・・」
服を入れてるボックスを開けて、一番新しいものを渡す。
「はい。これでいいかしら?」

「すまぬ」

「だ〜か〜ら〜、謝ってんじゃないわよ!!」
ビシイっと指を立てる

「あ、ありがとう・・・」
またしても眉をさげて下を向いている。
全く・・こんなことで、そんなに困らないでよ。っていうか今さらでしょ?
前回来た時も前々回もその前も、私の服貸したでしょ?

「ほら、あと詰まってるんだから、さっさと行きなさいよ」
しっしっと手を動かし、お風呂に行くように促す。

「お湯、頂きんす」

ツッキーがお風呂に入っている間に、テーブルの上を片付けてお皿を洗い、2人分の寝る場所を作る。
そして明日の出勤準備をする。
それが終わった頃に

「先にお湯いただきんした」
とリビングに戻って来た。

「これ、美容液だから、使って。
じゃあ、私お風呂はいってくるから。
あ、テーブルの上のパソコン、立ち上げてあるから使うならどうぞ」

またしても驚き顔がこちらを見つめていた。

そのくらい分かるわよ。
帰ってすぐに銀さんと喧嘩して出て来たんでしょ?
で、スーツのまま仕事鞄持ってここまできたんでしょ?
本当はまだちょっと片付けたい仕事あって、メールチェックとかしたいんでしょ?
分かるわよ。そのくらい。
普段の生活見てたら分かるに決まってるじゃない。
私を見縊ってんじゃないわよ。

そんな言葉を背中で語りながら、私は華麗にお風呂場に向かう。

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