千夜月待〜ひととせ〜U



そうして、穏やかな日々が流れた。

あれは、春のことだっただろうか。
銀時が突然、またしても言いづらそうにわざとらしく咳払いをしてから
「俺と月詠、結婚するから」と言ってきた。
前と同様に「わ〜おめでとうございます」と言う新八の横で
神楽は「ついに決めたアルカ。銀ちゃん男になったアルナ」と手を叩きながら嬉しそうな声で憎まれ口を叩いた。

それは丁度、月詠の体調がすぐれない事が続いていたため
『そろそろ第一線を退いて裏方に回ろうか』と言いだした折のことだった。

知り合いは皆2人の門出を祝福した。
お互いの家をよく行き来していたので、
顔なじみの道行く人達に「おめでとう」と言われて、立ち止まっては立ち話をしてを繰り返しているせいで、目的地になかなか着かない
なんて、幸せな悩みをぼやいていた


そんなある日
銀時と月詠が2人で、衣装を見に行こうと出掛けた矢先

表から
「おい、大丈夫か?しっかりしろ!!」銀時の大きな声が響いた。
何事かと思って新八が飛び出すと
目の前の道では、倒れた月詠を銀時が抱きかかえていた。

「銀さん!!どうしたんですか?」
「新八、急いで救急車呼んでくれ!!!」
真剣な焦り声で言われて、すぐに119番した。


[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]













[*前] | [次#]

[戻る]
[TOP]











人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -