千夜月待〜ひととせ〜T
パチリと目が覚めた朝方が嘘のように、朝食を取ったあとから体がダルイ。
頭の芯が痛い。
頭突きしたとかカキ氷食べ過ぎたといった類の痛みではない。
キリキリと内側から圧迫されているような、病気のときによく発症する類のものに似ている。
なんだろうな。低気圧でも近づいているのか?
今朝見た夢が、みょうに気になる。あれは誰だったのだろうか。
よく知っている気がするのに、記憶が曖昧にぼやけて、うまく掴めない。
「いててて・・・」
ズキリと脳内に痛みが走り、思わずこめかみを押さえる。
「銀さん、どうしたんですか?」
「銀ちゃん、朝から頭痛いみたいネ。」
「え、そうなんですか?ちょっと横になってたほうがいいんじゃないですか?」
「バフ○リンいります?」
とお母さん的な気使いをする新八に、銀時はひらひらと手を振る。
「いやいや、そんな大した事ねェから、平気だ。」
そんなやりとりがあってから数日、初めこそまたいつ頭痛が襲ってくるかと構えていたが
案に反して、痛みの『い』の字も感じられない至極健康な日が続き
なんとなく拍子抜けしたくらいだった。
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