指ずもう



「半田!指ずもうしよう!」

昼休み、昼食も食べ終わり風丸と話していると先程まで円堂と話していたマックスが言ってきた。意味が分からない。

「なんでだよ」

「え、したいから」

当たり前じゃん、とさらりと言い放った。

「ほら早く」

「えー」

ほらほら、といいながらマックスは俺の手を握った。なぜかその部分がじんじんと熱い。

「じゃあ風丸よろしくー」

「ああ」

俺が考えてる間になんか色々進んでいてやっぱりこいつらはノリがいいんだなあ、とか関係ないことをまた考えた。

「半田始めるぞ」

風丸がひょいっと覗いてきた。

「うん」

「じゃあ..」

レディゴーという風丸の声とともに指ずもうが始まった。しかしマックスがここでも持ち前の器用さを発揮してあっさり勝ってしまう。

「やったあ僕の勝ち!」

マックスはにこにこと笑って言った。円堂は「半田ぁ」と嘆いている。賭でもしていたのだろう。

「じゃあ一つ言うこときいてね」

「は?きいてないぞ」

「言ってないもん」

さも同然と言わんばかりにいい切った。なんかすっげームカつく。怨めしそうに睨めば得意気に笑って「じゃあねえ」と考えだした。こうなれば最早手遅れだ。諦めよう。

「決まった?」

「うん、決まった」

「なんだよ?」

そう聞くと楽しそうに口を開いて「僕とデートしてよ」と言ってきた。全くわけが分からない。でも不思議と嫌な気はしなかったから、しょうがない付き合ってやるよ。







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