きらめきに誘われて
サッカー大好きなキャプテンのもと今日も遅くまで練習をしていた。今はその帰りだ。いつもなら恋人である一之瀬も一緒なのだが今日は用事があるとかなんとかで部活の途中で帰ってしまった。とぼとぼと歩きながら空を見上げると深い紺色に染まりはじめた空に星が瞬いていた。立ち止まって星を見ていたらなんだか鉄塔に行きたくなってしまい星に誘われるように自然と足が動いていた。
鉄塔につくとそこには随分前に帰ったはずの一之瀬がいた。
「一之瀬?」
そう声をかければびっくりしたような目で見られたが気にせず隣にいく。
「なんでこんな所にいるんだ?」
率直に聞いてみる。
「家の窓から星をみていたらなんだか鉄塔に来たくなって、ね」
空を見ながら一之瀬は答えた。どうやら俺と同じらしい。以心伝心、だっけ?こういうの。まさか一之瀬が自分と同じとは思わなかったので結構嬉しい。
「半田は?」
「一之瀬と同じ..」
同じというと急に恥ずかしくなりぷいっと顔を背けてしまったがなんとなく分かる。今、一之瀬はかなり喜んでいる。
「星が俺たちを鉄塔に導いてくれたんだ!」
俺に抱きつきながら嬉しそうにいった。星が導いたのか星に誘われたのかは分からないがどちらにせよ、もしそうであるなら星に感謝せねばならないと一之瀬の腕の中で密かに思った。