初雪が降るまでに



部活の帰り道、いつものメンバーと別れ一之瀬と2人っきりになった。一之瀬と2人っきりというのもいつものことだが俺が一之瀬を好きになってからはこのいつもが堪らなく嬉しいものでありなんとなく気まずいものでもあるようになった。

「寒いね」

「あ、あぁそうだな」

突然話しかけられたもんだからびっくりした。

「明日か明後日、東京でも雪が降るらしいよ」

「へぇ、どうりで」

それっきり会話は途切れてしまった。やはり気まずい。なんの話題もないから話しかけるわけにもいかずやがていつも別れる交差点についた。

「じゃあね半田」

「あぁじゃあな」

同時に背を向けて歩きだすが俺はすぐに後ろを向いて一之瀬の背中を見つめる。すると一之瀬が数歩進んで振り返った。

「あのさ半田、」

一之瀬はそこで一旦言葉を切った。あまり距離も離れていないので目や唇の動きまでみてとれる。一之瀬の目はキョロキョロと動き、唇はなんども開いたり閉じたりしている。こんな一之瀬見たことない。

「...ごめん、やっぱりいいや」

「そうか?」

「うん、明日言うよ」

最後の方はそれこそ一之瀬らしくない小さな声でごにょごにょといった。

「..じゃあ、また明日」

そういうと一之瀬はまた歩き出した。

「..なんだよ」

さっさと言ってくれ。いつまで俺を待たせるんだ。こんなにも一之瀬が好きなのに。酷いことだとは思うけど自分からいうのが恥ずかしいから待ってるんだ。せめて初雪が降るまえに俺にお前が好きだと言わせてくれ。




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自分勝手な半田とヘタレ一之瀬。キャラ崩壊しまくりですね´`;すみません!



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