05







「暑い」




今日は学校も部活もなく暇なので浜田の家に来たがちょっと後悔している。前々から何度か遊びに来てはいたが後悔したのは初めてだ。


「なんでクーラーねぇんだよ」


後悔の理由、それはクーラーがないから。扇風機はあるが送ってくるのは生暖かい風のみ。おまけに浜田が先ほどから俺を抱きしめている。


「なんでって言われてもしょーがねぇだろ」


そう言って後ろからさらに抱きしめてくる浜田。なんていうか暑いし鬱陶しい。


「浜田ぁ、アイス買ってこいよ」

「へっ?」

「だからアイス」


そう要求すれば名残惜しそうに俺から離れる。なんだか背中がスースーした。


「泉は何がいいの?」

「なんでもいい」


きっとアイスなんてこんだけ暑けりゃすぐ溶けるし一時期のしのぎにしかならない。ただ浜田を追い出したのは浜田の息が耳にかかって火照った体をどうにかしたかっただけ。


「あちー」


体は熱い。けど浜田がひっついていた背中だけは未だスースーしていた。





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