02
「誰?」
機械が密集し薄暗い部屋で僕は初めてキミをみた。その仔は僕と同じ容姿をしていて水槽(と言うのかはわからないが)の中で眠っていた。ただ違うのは、その仔が女の子で髪が長いことだけ。
「...」
(不思議な気分だ。)
この仔を見てるとどきどきする。自分と同じ容姿の仔にどきどきするなんてただのナルシストだ、などとは今のリヴァイヴは全く思わなかった。
「気になるかい、リヴァイヴ」
「リボン、ズ?」
まだ生まれたばかりのリヴァイヴはリボンズの名前と顔を一致させることができなかった。それでもリボンズは嫌な顔一つせず話しをつづける。
「この仔は君の片割れだよ」
「片割れ..ですか?」
「そう。似た容姿をしたパートナー..」
いわば双子のようなものさ、とリボンズは言った。だがこの気持ちはパートナーへの気持ちと言えるだろうか?その答えは、まだ分からない。分かるはずもない。
「この仔も、もうすぐ目が覚める」
「...」
「そしたら、紹介するよ」
だからあっちで待ってて、と言われた。あっちとはソファーのある大きな広間だ。あそこはなんだか落ち着かないが片割れに逢えるなら我慢もできる。
「はい」
早く逢いたい。同じ容姿をした名も知らぬ女の子に。その気持ちが勝ってかリヴァイヴは駆け足で広間へ行った。待ってる時間だって退屈じゃない。早く目覚めて、と繰り返し願った。
「アニュー・リターナーです」
あれから数年後、彼女はまた深い眠りについた。