「前から気になってたんだけど、」
「?」

そんなレイアの言葉に、わたしはもしゃもしゃとえらい勢いで咀嚼していたマーボーカレーのスプーンを止めた。ふと見たらレイアの顔は何やらきらきらと輝いていて。…うん、正直嫌な予感しかしないよ。

「どうかしたの?」
「うん。…ねぇ、ナマエとアルヴィンはどんな関係なの?」

やっぱりそのテの奴か…。
そう思ったけれど相手は恋に恋するお年頃だから、優しい優しい私は寸でのところで溜息を飲み込んだ。

「なんでそんなことを?」
「だって二人共息ぴったりだし」

「阿吽の呼吸って奴ですな!」と笑うレイア。…うーん、なんて言ったら良いのかなぁ。
確かに仲は良い。でもそれは私とアルヴィンが似たような性格だからだし、第一私はジュード達がアルヴィンと接触する数週間前位から彼と行動を共にしているので息が合うのは早くて当然だと思う。
っていうか、向こうはわからないけど私には恋愛感情は無い…筈だし。ましてや私はどちらかというと彼に「構われる」というより「世話を焼かれている」部類だと思う。

…待てよ?つまり…そうか!

「保護者と被保護者?」
「おいおい聞き捨てならねぇな」

ぽんと手を叩いて言った私の言葉に返ってきたのは可愛い女の子の声じゃなくて野郎の声だった。
野郎―――アルヴィンは私の斜め前の席から不満気な声を上げる。

「俺は子持ちになった覚えはないっつーの」
「えー…じゃあなんなのさー」

めんどくさい男だなーもー。
でも、かと言って「じゃあなんならいいの?」とはなんだか訊きづらいわけで。

「うーん…主と従者?いやこれは私がなんか嫌だ……利害の一致?…うーん………」

しょうがないから一人でうんうん悩んでいた私は、当然アルヴィンが複雑な目で私を見ていたことも、そんなアルヴィンをレイアが哀れむような目で見ていたことも気がつかなかった。


複雑すぎる間柄



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