「さて、何から話しましょうか…」

瞭と真琴とタケルは光子郎の家にいた。横ではタケルのパートナーであるパタモンがちょこんと可愛らしく座っている。
光子郎が複数のパソコンを立ち上げている間に、パートナーのテントモンは器用にお盆に乗せたお茶を持ってきた。テントモンの存在は、どうやら光子郎の家では当たり前らしかった。

(というか、なんでこんなにパソコンがあるんだろ…)





全ての準備が整ったところで、光子朗は「デジモン」について、わかっていることを丁寧に二人に教えた。幾つもの聞き慣れないパソコン用語が出てきたが、光子朗が複数のパソコンを駆使して図解してくれたのと、さらにテントモンの丁寧な補足によって、理系が苦手な瞭でもすんなり理解することが出来た。

話を聞いてみて、デジモンという存在については、瞭が思っていた以上に規模の大きなものだった。しかも、ネットワークの裏側、などと言われても、理解は出来ても全く想像が出来ない。
電気信号の塊のような彼等がどうやって具現化するのかとか、論理的に考えたら有り得ないような現象。だが、彼等の体温は、存在は、間違いなく生きている。
傍らのレナモン―――戦闘で力を使い果たしたのかそれとも現実世界に適応するためか、今は幼年期のポコモンになっている―――に無意識に手を伸ばす。すると、瞭の気持ちに気づいていたのか、ぽふっとその手に触れた。流石パートナーってことかな、と暖かい気持ちになった。

「いきなりこんな話をして、混乱させてしまったと思います。夜も遅いですし、取り敢えず今日はこれでお開きにしましょう」

光子朗とその家族にお礼を言って、瞭と真琴とタケルは家を出る。

「そういえば、真琴、一人だよね。帰り気をつけてね」
「あぁ、うん。大丈夫大丈夫」
「なら、僕が送っていきますよ」

真琴は瞭やタケルとは反対の方に家があるため、帰りは一人になってしまう。
まだ7時代とは言っても春なので、外は薄暗い。最近はよく不審者の話を聞くこともあって、瞭は凄く心配だった。だから、遠慮する真琴を上手く丸め込み、光子朗さんが理羅を送ってくれることになった時はすごく安心したのだった。

「また明日学校でねー!」
「うん、また明日ー」

並んで歩いていく二人の後ろ姿を見送り、タケルの方へと振り返る。

「帰ろうか、瞭ちゃん」
「そうだね」

タケルの言葉に頷いて、瞭は並んで歩き出したのだった。




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