110704 腐女子オタク主で11〜13話辺り

私に出来るのは歌しかない。
だったら、私は…あたしは、歌でみんなの力になるんだ!

「ねぇ、近くにバーがあったよね!」
「何をするつもり!?今は逃げるのが…」
「あたしは逃げない!」

あたしの言葉に、マネージャーが口をつぐんだ。あたしは構わず言葉を続ける。

「大事な人達が命を賭けて戦ってるのに、あたしだけ逃げるなんて出来ない!」
「あなたはみんなのアイドルなの!こんなところで死んだら何人のファンが…」
「死ぬなんて言わないで!あたしはヒーローを信じてる!それに、あたしはアイドルだから、だからこそ此処に残るの!…あたしは希望を無くさない!あたしはみんなの希望なの!あたしは…あたしは、みんなを勇気づけるために此処にいるのよ!」

あたしの言葉にマネージャーが完全に黙り込む。
…なんか、今のあたし、シェリルやランカみたいだ。そう思ったらすごく勇気が湧いてきた。
それだけじゃない。今も必死に戦ってるヒーローのみんなのことを思ったら、なんだって出来ると思った。

「…わかったわ。好きにしなさい。責任は私が取る」
「ありがとうっ!」

あたしの言葉にいつものようにクールな笑みを返すと、マネージャーは事務所に電話を掛け始める。あたしは服のポケットからmp3プレーヤーを取り出してカチカチと操作をする。

「あった…!」

あたしが探していたのは、かつて私がいた世界でやっていたアニメの曲。二人の歌姫と一人のパイロットの恋と戦いの物語。

「ライオンに…インフィニティ……!」

今の状況で歌うのは、この二曲しかないと思った。カラオケバージョンが入っていることを確認すると、あたしは帽子を被り直し、事務所への電話が終わったマネージャーと頷きあう。

「さぁ、ステージの始まりよ…!」

そう言って、あたしはにやりと笑う。なんでだろう、笑いが止まらない。ワクワクする。なんだろう、この高揚感。
…あぁ、そっか。

「怖いの?」
「まさか。武者震いだよ。楽しみで仕方ないの!」
「やっぱり貴女、大物だわ」

そう言うマネージャーも笑っていた。貴女も十分大物じゃない。

「…絶対、負けないんだから」

あたしの小さな決意は不安にざわめく市民の中に溶けていった。


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マクロスをネタに絡めたかっただけ。関係無いけど初めてマクロスFみたのがまさかのミハエルさんが…な回で超怖かった。ヴァルキリーかっこいいよね!!

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