110627 腐女子オタク主と兎と虎
ピンクに黄色に派手に煌めくスポットライトの下に、彼女は立っていた。 ユーロビートの速いテンポに合わせてキレのある踊りを披露する彼女はまさにアイドル。ヘッドマイクをつけ、長い髪を遊ばせながら歌うその姿からはキラキラとした輝きが溢れており、まるでアニメの世界から抜け出してきたかのようだ。 ファンの声援を受け、少女がにこりと微笑む。それだけで上がる会場の温度。
「これであんな趣向が無けりゃ完璧なんだけどなぁ」 「まさに天は二物を与えず、ですね」
その様子を、ヒーロースーツを着た虎徹とバーナビーは舞台袖からなんとも言えない目で覗いていた。
「彼女の考えてることが理解できません。それと、そんな彼女を狙っているというNEXTのストーカーの頭も」 「そう言ってやるなよバニー。ファンはアイツの趣味なんて知らねぇんだし」 「…なんで僕らがこんなことをしなければならないんですか……」 「しょうがねぇだろ……アイツがゴリ押したんだから………」
そう言って溜息を吐いた二人を、少女は観客に笑顔を振り撒きながらもしっかり視界の隅に捉えていた。というか、彼等を視界にいれることで振り撒く笑顔が普段より五割増輝いていた。
(ああああ虎徹さんバニーの肩に手置いててるうううううああもうなにあの二人なんの話してんのよまじもうなんなのよ付き合っちゃえよあんたたちいいいいい!!!!!!!!!!)
そう、彼女は腐女子だった。 それも救いようの無いほど筋金入りの。
---------- 腐女子オタク主でもし連載やるならこんな出だしになりそう(笑)。
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