ねねねねぇ、
「ね、ねえ、いま忙しい、かな…?もし、あ、あれなら、少し話せたらって思ったんだけど…」
なかなか久し振りに会うヒカリと、博士の研究所の前で会った。
「ちょうど暇してたんだ!ていうかヒカリちゃん久し振りだねー」
うん、と答えながらも俯いたまま。相変わらずもじもじした話し方だなあと思う。
しかも自分から話しかけてきたのに困ったように俯いたまま何も話してこないのでとりあえず、どうしてここに?とか尋ねてみた。
「あっ、こ、コトブキに来たついでに、は、博士に顔出しとこうって思って…」
ふうん、と相槌を打つと、ちらっとヒカリが俺の顔を見た。俺はずっと見てたからばっちり目が合う。途端、頬を赤らめてさっきよりもっと俯いてしまった。
こんなあからさまな反応されたら誰だって分かると思うが、あえて笑いながら、どうしたの、と声をかける。
すると、ヒカリは意外にもさっきと少し声色をかえて言った。
「あの、それと実は、コウキくんに聞きたいことが、あって…」
俺は素直に、でもなんとなくこの空気を受け止めながら、どうした?と言って微笑んでみせた。
「あ、あの…、…こ、コウキくんって、いま彼女、とか、いる…?」
さっきまで俯いてろくに顔見せなかったくせに、上目遣いで潤んだ目の真っ赤なその顔をみせるから俺は、自分の理性を、必死に押さえつけながら、
一歩分、距離を縮めると、うあっ、と変な声を出しながら少し顎をひいた彼女に、俺は質問には答えず尋ねた。今度は笑みは見せずに。
「どうしてそんなこと、聞くの?」
予想通りえぇっ、と困ったような顔をして目を逸らす。もじもじと自分の手の指を絡めたり離したりしながら、それでも一生懸命言葉を紡ぎはじめる。
「えっ、と、その、それは、私が…」
「うん、」
「ああ、あっ、あのね、実は私、私がね、えっと、」
「うん」
精一杯優しく相槌を打っているのに、いよいよヒカリは泣きそうになっている。目にはいっぱい涙が溜まっている。
「…びっくりしたら、ごめんね…っ」
うん、と答えながら俺は薄く微笑んで、
彼女は涙がこぼれるのを必死に我慢しながら言った。
「こ、コウキくん、が、あ、その…、私は、私は…………っ」
すきだから、と聞いた同時に動いた腕は彼女を抱きしめていて、
ひぇっ!?と、すっとんきょうな声を出したと思ったら、すぐにわんわん泣き出した。
だから、泣きじゃくる彼女の髪を撫でながら、耳に口を寄せて言ってあげた。
「俺も、すき。」
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「すすすす、すき、だあいすき」
詞:Mr.DDR曲:Mr.JVN