目が覚めると、リボーンはいなくなっていた。
(どこかに出掛けたのかなあ)
時計を見ると、あれから2時間たっていた。
(人間やれば意外と寝れるんだなあ…)
寝起きでボーッとしていると、部屋の窓がガラッと開いた。
(…誰?)
窓を見ても誰もいない。
『覚えてて』
あれ、またあの声がする。
聞いたことのある、綺麗な声。
すると、いきなり視界が真っ黒になった。
慌てる俺を誰かが抱き締めてくれた。
『好きだよ』
唇に何かが触れる感触。
それがキスだとわかるまで時間がかかった。
でも、あまり嫌じゃなかった。
そっか、俺、この人が好きなんだ。
「…さ…」
「おい、起きろ」
「うぇぇ?!」
いつの間にか目の前にリボーンが立っていた。
「いつからいたんだよ!!」
「お前が寝ている間からだ」
…また…夢だったんだ…
俺はそっと唇に手を当てた。
まだ感触が残っている。
でも、それらしい人はいない。
あの人は誰…?!
「行くぞ」
「どこへだよ!」
「行けばわかるさ」
畜生ちょっと乙女気分を味わっていたのに邪魔しやがって。
「なんかいったか」
「いえっ滅相もない!!」
「じゃあ早くしろ。」
早くしろって一体どこに行くんだよ…
ブツブツ文句を言いながら、俺はリボーンと家を後にした。
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