4
今日はいつもより時間がたつのが早い気がする。



だってもう下校時間だ。


「10代目っ帰りましょう」


「今日は俺部活ないから帰るのな」


「う、うん…」


俺の知らない『俺』を知っている二人と帰るのは少し戸惑ったけど、二人には罪はないし。




「…であのバカが…」


「ふーん…」


ごめん。獄寺くん。話聞いてないや。今はそれどころじゃないんだ。


何故俺じゃない『俺』がいるのか考えなきゃいけないから。


でも、よく考えると、深読みしすぎなのかも…



「ツナ、大丈夫か?」


「そ、そう?」


「疲れてるように見えるのな」



疲れてる…?


そうだよっ




こんな違和感も疲れてるからなのかもしれない…!!




疲れてるから深読みしすぎたんだ。


うん。そうだよ。きっと。



そう思い込んでも、不安は消えない。


何故、あの一言を俺はこんなに気にしているんだ…?




「…家に着いちゃった」


いつの間にか目の前には自分の家。


見たところ変化なし。



というか、こんなこと気にしてるって俺やっぱり変だ。



疲れって怖いな…



そういって俺はドアノブをまわして、家の中に入った。
[ 4/10 ]
*Prev表紙Next#
top
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -