今日はいつもより時間がたつのが早い気がする。
だってもう下校時間だ。
「10代目っ帰りましょう」
「今日は俺部活ないから帰るのな」
「う、うん…」
俺の知らない『俺』を知っている二人と帰るのは少し戸惑ったけど、二人には罪はないし。
「…であのバカが…」
「ふーん…」
ごめん。獄寺くん。話聞いてないや。今はそれどころじゃないんだ。
何故俺じゃない『俺』がいるのか考えなきゃいけないから。
でも、よく考えると、深読みしすぎなのかも…
「ツナ、大丈夫か?」
「そ、そう?」
「疲れてるように見えるのな」
疲れてる…?
そうだよっ
こんな違和感も疲れてるからなのかもしれない…!!
疲れてるから深読みしすぎたんだ。
うん。そうだよ。きっと。
そう思い込んでも、不安は消えない。
何故、あの一言を俺はこんなに気にしているんだ…?
「…家に着いちゃった」
いつの間にか目の前には自分の家。
見たところ変化なし。
というか、こんなこと気にしてるって俺やっぱり変だ。
疲れって怖いな…
そういって俺はドアノブをまわして、家の中に入った。
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