「…え?」
殴られるかと思ったら、抱き締められてしまった。
「バカだよね」
沢田は、と言われて、懐かしさが込み上げてきた。
昔と変わらない口調に。
「…許してくれるんですか?」
雲雀はくすっと笑って沢田に耳打ちした。
「もう一度、やり直すって言ったら許してあげてもいいよ」
沢田は目を見開いた。
「それはどういう…」
「そのまま。」
「…その言い方だとヒバリさんが俺のこと好きだと勘違いしてしまいますよ」
「別に間違ったことは言ってないよ」
「でも、俺のせいでヒバリさんが縛られるのは嫌なんです」
「別に縛られようが何しようが僕の勝手だろ。これは僕が好きでやっているんだ」
沢田は雲雀を好きになってよかったと思った。
そしてさ、早くと雲雀に促された。
「俺、ヒバリさん…のことが好きです」
「知ってる」
「俺と…付き合ってください」
「いいよ」
10年前にも同じ台詞を言った気がする。
我ながら成長してないな、と肩を落としながらも、沢田は雲雀に抱きついた。
そして、二人の唇は重なりあう。
「もう、君を逃がさないよ」
雲雀の甘い囁きに笑顔で答える。
「はい。もう離しません」
今度は俺が貴方に囚われる番です。
書けなかったラブレター〈end?〉
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