「おっせーぞ、ダメツナが」
「ご、ごめん」
どうも俺が最後らしい。
皆席に座っていた。
あれ…?と沢田は目を疑った。
雲雀恭弥がいない。
いつもと変わらない状況だが、今日は来てくれるのかと期待していたのだ。
雲雀はいないか、と沢田があたりを見渡していると、痺れを切らした家庭教師様が口を開いた。
「雲雀なら遅れると連絡があったぞ」
「そ、そう…」
遅れるということは、こちらに向かっているということだ。
そうして、会議はいつも通りに進んだ。
しかし、雲雀は現れなかった。だけど、言わなきゃならない。まあもし雲雀が来ていたら、見合いの話なんか出来なかっただろうけど。
沢田は深呼吸をした。
「最後に、俺、見合いすることにしました」
言えた、と沢田は胸を撫で下ろす。
守護者は目を丸くして、騒ぎ始めた。
獄寺はザマアミロヒバリと大騒ぎし、山本はそうなのな♪と祝ってくれ、ランボや笹川はワケわからなくて、骸は複雑な顔をしていた。
「いいのですか」
「何が?」
「雲雀恭弥のことです」
骸は、まだ好きなんでしょうとため息をついた。
「そうだけど、俺から振ったくせにいつまでも引きずるのはあれかなと思ってさ。」
「そう…ですか」
骸は少し悲しそうな顔をして失礼しますと会議室をあとにした。
そして、誰もいないはずの廊下で呟く。
「いいのですか?あのままで」
「貴方が放っておくなら、ボンゴレは僕が貰いますよ」
返事はなかった。
ただ、どこかでカツン、という音が聞こえた。
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