それからまた一年が過ぎた。
あれから一ヶ月ごとに、俺は必ず寝てしまい、いつの間にか書類の山がなくなっていたり、一ヶ月の間に書いたラブレターもなくなり、代わりに何も書かれていない紙が置かれている、ということがある。
何故一ヶ月ごとなのか、誰が何のために白紙の紙を置いていくのかはわからずじまいだった。
「見合い、しねーか」
「…は?」
そんなある日突然リボーンに呼ばれて、行ってみると、ご覧の通りだ。
「お前にその気がないのはわかるが、今回は同盟ファミリーの娘でな、足蹴にはできねー。嫌なら断って構わねーから行くだけ行ってこねーか?」
そうだ。自分はもう24。今までそう言う話が来ていない方がおかしかった。
多分、俺の気持ちを知ってか知らずか、家庭教師様が今まで断ってくれていたのだろう。
「ん…わかった。これでもしかしたら諦められるかもしれないしね」
リボーンは誰を、という野暮なことは聞かなかった。
「因みに、守護者にはまだ伝えていない」
「…は?」
「お前の口から話せ」マジかよ…ってそれってみんなの前で言うんだよね?
「…俺が…?」
「そうだ。」
あまりにも酷すぎる。思い人の前で見合いの話なんかしたくない。
でも、ここでぐずぐずしていても仕方がない。
どうせ相手は俺のことなんかなんとも思ってないさ。
沢田は無理矢理自分を奮い立たせた。
「わかった。俺から言うよ」
リボーンはそうか、と呟いた。
諦めなきゃ。前には進めない。
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