バンッといい音がしてドアが開いた。
「リボーン!!」
中では、もう赤ん坊ではなく少年の姿をしたリボーンが座っていた。
「ちゃおっす。ダメツナ、よく眠れたか?」
「うん、まあね…ってそうじゃなくて、手紙返せよ!!」
「手紙なんて俺は知らねーぞ」
「じゃあどうして手紙がごっそりなくなってるのさ!毛布や書類の山もリボーンだろ!」
「ちげーぞ。俺はやってねー」
…は?リボーンじゃない?
「じゃあ誰だよ…リボーン知ってるだろ!?」
書類は沢田が書いたあと、リボーンが最終チェックをするので、書類の山は恐らくリボーンのところ。
そこに持ってきた人物が、手紙を持っているに違いない。
「ただじゃあ教えられねーな」
「教えろよ!あんなん誰かに見られたらおしまいだ!」
沢田は騒ぎ出した。最初は無視していたリボーンが堪えかねたのか、口を開いた。
「テメーのポケットに入ってるのはなんだ」
「ポケット…?」
沢田は上着のポケットを見ると、何か入っている。
取り出すと、寝る直前に読んでいたあのプロポーズ紛いの手紙だった。
「良かったあ…あった……って」
手紙を開くと、あの恥ずかしい文句が書かれた紙はなく、見覚えのない何も書かれていない紙がかわりに入っていた。
「…??」
沢田はパニックに陥った。
なぜこれだけ中身だけなんだ?しかもかわりに入っている紙は真っ白。
「どういうことだよリボーン!」
沢田は恐らく一部始終を知っている家庭教師様に詰め寄った。
「…書けなかったんだろうな」
「は?」
何が書けなかったのだ?
「あとは自分で考えろ。俺はそこまで構いきれねー。ニブツナめ」
ダメツナの次はニブツナですか…
トホホ…と半泣き状態で沢田は部屋をあとにした。
そして残されたリボーンは軽くため息をつくと、あらぬ方向を見つめた。
「あとは時間の問題だな」
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