「えっと…話がありますっ」
「だだ第2ボタンを…くださささあー言えるわけないよー!!!」
沢田綱吉は頭を抱えながら叫んだ。
ここは並盛中の屋上。今年で並盛中をさる(はず)の雲雀恭弥のことが好きな沢田綱吉は、思いを伝えるのは諦めて、せめて第2ボタンは貰おうと、毎日放課後屋上で練習しているのだが…
「あの雲雀さんがくれるわけないじゃないかー!!しかも、話すら聞いてくれなさそう…」
(明日が卒業式なのにー!!)
練習ですら、ちゃんと「ボタン下さい」と言えないのに、本番で言えるわけがない。
運動も駄目、勉強も駄目、ここまでダメツナの名前に負けてなかったなんて、想定外だった。
(もう諦めようかな…)
はじめからわかっていた。雲雀さんが自分に対して何にも感情を持っていないということ…
寧ろ出会う度に咬み殺すほど、自分のことが嫌いだということ…
話せるどころか、顔さえ合わせてくれないかも…
一度考え始めたら、ネガティブ思考が止まらないのが、ダメツナ。
自力で嘆き弾モードに入ったダメツナこと沢田綱吉は気が付いたら最終下校時刻まで泣いていた。
(あーもう最終下校時刻か…帰らなきゃ。)
フラフラしながら、綱吉は泣き腫らした顔で帰っていった。
誰もいなくなったはずの屋上に人影が現れた。
「チッ。ダメツナが。」
リボーンだ。
「…このままだと何にも進まねーぞ。どうする?」
独り言なのに誰かに話しかけているようだった。
そして、リボーンも消え、屋上から人の気配が消えた。
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