「……美味い」
「美味しい…」

どうも、初めまして。木ノ瀬梓です。今日は、僕の先輩カップルを僕視点で紹介してあげようと思って…って、名字先輩には許可を貰ってるから大丈夫ですよ?え、宮地先輩?あの人には聞くまでもありませんから。

今二人がいるのは食堂。甘い物が好きな者同士だからでしょうか。いつもあの二人は食堂でパフェを食べてるイメージがあるんですよね。よく飽きないな、とは思いますよ。あんなに毎日食べてたら、僕だったら胸やけしちゃいますし。

「あ、宮地くん。こっち抹茶クリームだ」
「なんだと…!?」

名字先輩のパフェ見て目を輝かせる宮地先輩なんて滅多にみれませんよ?写真撮って、後で引き伸ばしでもして翼の部屋にでも貼ろうかな…、いや、止めておきます。

「名字、くっ…クリームが付いてるぞ…っ」
「え、みやっ…?」

え、ちょ、何ですかあれ。カップルの王道的なあれですか?名字先輩もいつもの冷静さを失って少し慌ててるのもかわい……っじゃなくて!

「人があまりいないからって唇舐めるなんて恥ずかしくないんですか!宮地先輩!!」
「………っ木ノ瀬?」
「え、…っ木ノ瀬くん?」

あ、思わず声に出してしまったみたいです。とりあえず、鬼の形相で僕の名前を呼ぶ宮地先輩から逃げる前に……。

「名字先輩っ」
「へ、」

先輩の真っ赤な顔、待ち受けにしますね!




(全く以て、)
(目障りなカップルですよね)