結局あれから誤解は解けていない。

何も起きないまま、彼についてある噂を聞いた。


"彼がバスケ部に入った。"と。


入った理由は知らないけど、これは誤解を解くチャンスでは?!と思い放課後さっそくバスケ部を見に行くことにした。


体育館からは掛け声に混ざってバッシュのスキル音とかドリブルの音が響きわたっていた。

しかし、掛け声に混ざって女子生徒の黄色い声援が聞こえる。

彼に向けられる声援である。


「キャー黄瀬くーーんカッコイイー」


その声は甲高く、言葉を悪くすると練習の妨げになっていて、お世辞でもいいものではなかった。


「(?何でそんなにバスケを楽しそうにしているの?)」

ふとコートに目を向けると昨日の彼、もとい黄色い声援を受けてる人は青峰君と楽しそうにバスケをしている。

負けてはボールを渡し、負けてはボールを拾うを繰り返していた。

負けてるのにその姿がカッコイイーらしいのか、隣の女の子は悶絶している。


「(負けてんのに…)」



キラキラ?一言で言えばそんな感じ。
負けてるのに目が輝いていて青峰君との勝負を楽しんでるみたいな…?



「青峰っちもう一回!!」

「やだね、何回目だと思ってるんだよ!!めんどくせぇ…大体お前のファンなんなのうるせぇんだけ…ど……!?」

「ん?何スか?ギャラリー見たと思ったら、固まっちゃって、早くやろうっス!!」

「あーわりぃ、ちょっとタンマ。便所行ってくる。」



そう言って青峰っちはトイレとは逆方向の階段を目指して去ってしまった。






「あっ(昨日俺に告ってきた人だ。)」


さっきまで勝負していた相手がトイレとか言って逃げ出したので、ボールを追って、転がったところまで行くと、サボった相手がギャラリーのしかも昨日俺に告った人となぜか楽しそうに話しているのが見えた。

青峰っちの知り合い?
それにしても、なんであんなに楽しそうに…?


そんなことを考えてると話が終わったのか、2人とも別々の方に歩いていく。一人はカメラを片手に出口へ。もう一人はその辺にあったボールを持って階段を下りてくる。














「おーわりぃちょっと遅れた。ってあれ?黄瀬?」




どこへ消えた




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