あのあと緑間君とはメールで色々と言葉を交わし、久しぶりにバスケが見たくなって次の日部活を見に行くというようなのをメールで送って了承を得たところでその日の緑間君とのメールやりとりは終わった。



「じゃあ、もしかして、今日が何の日か知らずに部活見にくるのか!?」

「?何のこと、高尾君?」


そんなバスケ部見学を約束した日の昼休みなぜか高尾君に話があるとかなんとかで、呼び出された。内容は今日放課後に部活を見るのはいいが、ちゃんと例の物を持ってきたかどうかの話に頭を傾げると、驚かれる。


「あちゃー。なまえちゃん、今日7月7日は何の日でしょうか?」

「七夕。」

「合ってるけど、合ってるんだけど、即答で言われると訂正しずらいな…」

「じゃあ何の日?」





―――――――――


五時間目のチャイムがなり、私と高尾君はそれぞれのクラスに戻る。


(というか、そんなん聞いてないよ…今日とかタイミング悪いよ。いきなりだし、用意なんかしてるわけない…まずい……これは、まずいよ…)





「じゃあ何の日?」



「今日は、真ちゃんの誕生日なんだよ。」






思っても見なかったとはこのことで、昨日の私に後悔…

(はぁ〜この頃本当に後悔先に立たずってものが身にしみて分かるよ。)



結局放課後、申し訳なかったが、例の物は自販機で済ませた物を持ってバスケ部へと向かった。



いつもと変わらずシュートを打つ姿。

やけに高く放たれるそれは絶対にゴールのネットを揺らす。


誕生日と聞いていたら私もテーピングとかリストバンドとか用意したのに…

ふと外を見ると雨が降ってて、あの時を思い出した。
実は私はおしるこ事件(勝手に玲子が名付けた)よりも前に彼に話しかけていた。あの日は今日みたいにいきなり雨が降ってきて、下駄箱でそわそわしてる彼に折りたたみ傘を貸したんだっけ。

彼はそんなことを覚えていない。そう確信したのも、覚えていたのならおしるこ事件の日にでも、話してるだろうから。私から言ってみるっていうのも手だけど、あえて私は何も言わなかった。
言ったら言ったで気まずそうだったから。

そうこうしてると、緑間君は個人練習をやめて、私に近づいてきた。どうやら今日の練習は終わったみたいだ。


「まだいたのか?」

「あ、うん。」

「もうあたりが暗くなる。なんでいたのだよ。」

「これ…こんなので悪いんだけど、誕生日おめでとう。」

そう最初は冷たかったのに持っていたせいか、生温くなってしまったおしるこを渡すと彼は一瞬目を見開いた後メガネのブリッジをくいっとあげ、"ああ"と短い返事をした。


プレゼント ふぉーゆー
(四角い箱になんか入ってないし、)
(綺麗なリボンもついてないけど、)
(受け取って)


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