梅雨もあけ、昨日あたりからムシムシとまだ七月に入って間もないのに猛暑のように気温が上昇し、やけに喉が乾く。そんな喉を潤そうと脱水症対策に家から持ってきていた水筒を手に取る。カチッと音を立て開け、中に入っているお茶を飲もうとしたら、いつもならまだ半分以上残っているはずのお茶はもう空だった。そこでめんどうではあるが、昼休みに何か飲み物を買いにと重たい腰を上げた。



(全くよく当たるのだよ。)
今朝見たおは朝で自分の星座が最下位だった。ラッキーアイテムのアヒルの財布は持っているのだが、さっきから、部活の先輩や顧問、担任と会う人会う人に話しかけられて一向に目的地に着かない。やっとのことで、本来なら片道五分の自販機に着くと、そこは先約がいた。

先約の女は後ろ姿からも分かるくらい、間違えてボタンを押したらしく小さく"あっ"と言った後ため息と同時に肩を落とし、もう一度挿入口に百円玉を入れていた。今度はちゃんと買えたらしい。そこで気づいたのは自分の目当てのおしるこが売り切れということだ。


「ぬっおしるこが売り切れなのだよ。」


ここまで来ておしるこを飲めないとか本当についていないと周りを見渡すと、先ほどこの自販機で買っていた彼女が片手にりんごジュースを持ち、もう片方の手におしるこを持ち、おしるこの方をマジマジと見ているのが見えた。

そこでイチかバチかで声をかけてみることにした。


「それを俺に譲ってくれないか?」

そう言い、手を差し出すと今まで下を向いていた彼女は困惑した顔をこちらに向けた。
そこで俺は彼女がみよじであることに気がついた。


何事も運命
(なんでみよじがここに…)


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